ジョコビッチ 豪テニス協会に隔離状況改善を要求か。豪側は「絶対にありえない」と却下
「全豪オープン」へ向けた検疫が続くテニス選手たち。さらに一部選手は、オーストラリア入りした際のチャーター便で新型コロナウイルス陽性者が出たことにより、14日間ホテルの部屋から一切出ることを許されなくなっている。男子世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、そんな完全隔離の選手たちのために大会責任者へ措置緩和を求めたようだ。オーストラリア紙The Ageが伝えている。 【動画】完全隔離中の選手、ホテル部屋内で珍練習 現在ジョコビッチは、ラファエル・ナダル(スペイン)、大坂なおみ(日本/日清食品)らと同じくオーストラリア・アデレードでの検疫期間を過ごしている。 そのジョコビッチはスペインのテニスサイト「Punto de Break」によると、「全豪オープン」のトーナメントディレクターでありオーストラリアテニス協会のCEOクレイグ・タイリー氏に協力を求めたという。 ジョコビッチが要求した内容には、「全室にフィットネスとトレーニング器具の設置」「選手たちへのちゃんとした食事の提供」「完全隔離中の選手たちについて、追加テストで陰性であることを確認したら隔離日数を減らす」「PCR検査に合格している場合、コーチやフィジカルトレーナーが選手の部屋に行けるようにする」「できるだけ多くの選手をテニスコート付きのプライベートハウスに移動させる」といったものが含まれているようだ。 これに対し18日の朝、ビクトリア州首相Daniel Andrews氏は「ルールは変更されない」「要求リストを出すのは自由だが、答えはノーだ」と話した。 そして「何人かの選手が、ルールについてあれこれ言っていることは知っている。ルールは誰にでも適用されるし、彼らは全員が来る前にそのことについて説明を受けていた。それが彼らが来た条件だった」としている。 一方でこの事前説明については、先んじて16日に女子世界28位ユリア・プティンセバ(カザフスタン)がTwitterで「理解できないのは、もし1人陽性が出たらその飛行機に乗っていた全員を隔離する必要があることを、なぜ誰も私たちに言わなかったのか。(知っていれば)来る前によく考えただろう」と投稿した。 ともあれ、ジョコビッチの要求は認められそうもない様子。ビクトリア州首相だけでなく、州の検疫に関する責任者であるEmma Cassar氏もいずれの要求も検討しないとしている。 メルボルンのラジオ局3AWに質問されたCassar氏は、隔離選手のコーチとの対面やコート付きプライベートハウスについては「絶対にありえない」と回答。また、もし陰性であれば隔離日数を減らす可能性はあるかという質問には「我々は絶対にプログラムを変更しない」と答えた。 今回、錦織圭(日本/日清食品)やダニエル太郎(日本/エイブル)も、チャーター便の同乗者に陽性が判明したため、この14日間の外出禁止の対象となっている。 (テニスデイリー編集部) ※写真はアデレード空港に到着した際のジョコビッチ (Photo by Mark Brake/Getty Images)
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