【DDT】MAOがUNIVERSAL王座V11戦を前に、駆け抜けた躍動の2024年夏を振り返る
――8月12日後楽園DDTとGCWの合同興行でアレックス・ゼイン選手とのDDT UNIVERSAL戦が行われました。ゼイン選手の負傷によるレフェリーストップで不本意な形となりましたが、MAO選手は10度目の王座防衛に成功しました。 MAO:ゼインのケガが大事に至ってなく、本当に良かった。彼は素晴らしいハイフライヤーです。多分、あの時はレフェリーより僕の判断が早かった。 僕は「もうダメだな」と思って、アメリカの“レフェリーストップ”のジェスチャーでゼインに「止めた方がいいんじゃないか?」と聞いたんです。ケガをした状態で試合しても勝負にならないし意味ないですから。 今後、GCWとの合同興行があるかは分かりません。でも、レフェリーストップになった時、「次回開催されるなら、絶対にアレックスと再戦したい」と率直に思いました。 ――時間や場所を問わずにタイトルに挑戦できる「いつどこ挑戦権」の保持者は残り4人です。DDT UNIVERSAL王者として、そちらにも注意が必要ですね。 MAO:正直なところ、KO-D無差別級タイトルの影に隠れている感じはありますよね。 ――KO-D無差別級ベルトが一番狙われる対象と言えるかもしれませんが、そんなことは無いと思います。 MAO:僕、スタミナは結構ない類のレスラーなので、毎試合ヘロヘロ状態なんですよ。そういうシチュエーションで、「いつどこ挑戦権」を使われたらしんどいですね。 8.17横浜大会、上野&To-y vs青木真也&彰人戦。上野が青木さんに散々苦しめられた後、バラエティー色を一切排除した全く違うタイプのアントン(アントーニオ本多)が出てきて、いつどこ挑戦権を行使しました。あの試合を目の当たりにして怖くなりましたね。 「いつどこ挑戦権」は、常に気を付けなきゃいけないです。
――年内、海外遠征の予定はありますか? MAO:今年の夏はKING OF DDTで優勝、KO-D無差別級王座に挑戦しました。これがなかったら海外に行きましたね。 今回の7.21両国国技館大会はDDTの中で一番重要なビックマッチ。それもメインイベント。だから大会に穴を開けるわけにはいかなかった。海外遠征となると2週間は日本を空けることになりますから。 それに日本でやりたいことが沢山ありました。ちょっと海外遠征している暇はなかったですね。今後もスケジュール次第かな。 ――この夏、力を注いだ両国大会は終了。MAO選手が企てる次の計画は? MAO:DDT UNIVERSAL王座を10回防衛しました。さらなる目標は15回、そして20回と防衛記録を重ねること。一生破られない記録を作りたいですね。 ――個人的に、MAO選手憧れのカズハヤシさんが保持していた世界ジュニア王座17回連続防衛という記録が頭に浮かびます。 MAO:そこなんですよ!今後、誰にも破られない実績を作って記録を残し、歴史に名を刻むのが目標であり野望です! ――そのDDT UNIVERSAL王座の11度目の防衛戦が、9月8日名古屋で行われます。対戦相手は阿部史典選手。様々な団体で活躍する個性的なレスラーです。 MAO:実は2019年にZERO1、そして昨年のバーレスクで2回直接闘った事があるけど、やっぱり変な選手でした。僕みたいに変な自覚があると思います。本当に変でそれでいて強さもあってお客さんの心も掴む選手です。 シングルでしっかりと対峙するのは初めてで「遂に来たか!」と、とても楽しみにしています。 ――最後に阿部選手との王座戦向けて意気込みをお願いします。 MAO:変な阿部さんと変なMAOがUNIVERSALかけて熱く変な防衛戦になると思いますが、ここもしっかりと防衛してUNIVERSALチャンプとして、まだまだみんなが知らない世界を見せていきたいです! (おわり) <プロフィール> MAO(まお)1997年1月28日生まれ、宮城県大崎市出身。中学1年生の時、たまたま見たプロレスにハマってしまうと、YouTubeに「中学生プロレス」なる動画を投稿。それが髙木三四郎の目に留まったことがきっかけでDDT入団。2016年5月から大石真翔、勝俣瞬馬とアイドルユニット「NωA」で活動。2018年7月マイクベイリーとのタッグ「MOONLIGHT EXPRESS」で第65代KO-Dタッグ王者に。現在はThe37KAMIINAに所属、第12代DDT UNIVERSAL王者に君臨、これまで10度防衛している。
取材・文/大楽聡詞 編集/黒澤浩美