3カ月ぶり高水準の「米国債利回り」、大統領選後に予想される4つのシナリオ
先月の米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ後、債券市場は意外な動きを見せた。そして、国債利回りは米国時間10月23日、夏以来の高水準を記録した。11月の選挙は国債にさらなる圧力をかける可能性があり、億万長者の投資家であるポール・チューダー・ジョーンズは、選挙を前に米国の債務が増加することを強く懸念している。 CNBCのデータによると、指標となる10年物米国債利回りは7月25日以来の高水準に上昇し、午前中の取引で4.26%を記録したほか、2年物国債利回りは8月19日以来の高水準となる4.07%まで上昇した。 FRBが9月18日にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げた後、債券利回りは驚異的な上昇を遂げたが、これは、FRBによる金利の引き下げ以前の状況と比べ、金利が今後数年で上昇すると投資家が予測していることの表れである。 FRBの利下げ直前における2年債の利回りは約3.65%、10年債の利回りは約3.6%だった。 国債利回りが上昇するということは、投資家が既存の国債に対し高い利回りを要求するため、既存の国債の価格が下がることを意味する。国債利回りの上昇は、企業借り入れや、先週2カ月ぶりの高い水準となった住宅ローンなどの消費者借り入れを含む、多くの種類のローンの基準として機能するため、より幅広い経済に影響を及ぼす。 ポール・チューダー・ジョーンズは22日、CNBCのインタビューに応じ、米国は「財政支出の問題に真剣に取り組まなければ、あっという間に破綻してしまうだろう」と話した。また、このままでは国家債務を「インフレで解決」せざるを得なくなると警告し、こうした市場の考えが将来的な金利上昇という予測に結びつき、国債利回りの上昇として現れていると主張している。 選挙結果は、連邦政府の借入れが急増するかどうかを左右する可能性があり、その結果によっては国債にさらなる上昇圧力がかかるだろう。JPモルガン・チェースのストラテジストは、今回の大統領選と連邦議会選挙における4つのシナリオを想定した。 1. 大統領選でドナルド・トランプが勝利し、連邦議会選挙では上院と下院で多数派の政党が分かれる「ねじれ議会」成立 2. トランプが大統領選で勝利し、共和党が上下両院を押さえる 3. 大統領選でカマラ・ハリスが勝利し、「ねじれ議会」成立 4. ハリスが大統領選で勝利し、民主党が上下両院を押さえる