日本一・楽天がホームで開幕を迎えられない理由とは…!?
いよいよ3月28日にプロ野球2014年シーズンが開幕する。プロ野球ファンの皆さんは昨シーズン終了後から、意中球団の移籍選手情報やキャンプ情報、そして新シーズンを迎えるにあたりチームの方向性が見られるオープン戦まで、日々の生活の合間を縫って楽しみにチェックしていたことと思う。
さて、今年もセ、パ両リーグ同時に戦いが幕を開けるわけだが、ここであらためて気になる開幕カードを振り返ってみたい。対戦カードは、表1にある通り。セ・リーグは巨人、ヤクルト、中日が、そしてパ・リーグでは日本ハム、西武、ソフトバンクがそれぞれホームで開幕戦を迎えるわけだが… 「あれ!? 昨年優勝の楽天はホーム開幕じゃないの?」 「両リーグとも6位のチームがホームで開幕?」 「前年成績でカードが決まるのでは?」 と思われた方も大勢いることだろう。それもそのはず、実際に「前年度上位3チームが開幕主催権を持つ」という決定方法は存在した。しかし今年を見ると違っている。では、今現在の「開幕戦 ホーム開催条件」はどのように決定されるのかを解説するとともに、その変遷を紐解いていきたい。
ここからは表2を参照しながら読んでいただきたい。そもそも、多くの方が抱いている「前年度上位3チームが翌年の開幕主催権を持つ」という決定方法は、2001年まで採用されていた。しかし、翌2002年の開幕カードを決めるにあたり日本プロ野球に大きなライバルが出現。それが、サッカーのワールドカップ日韓大会だ。この年は、特例で前年度順位が決まる前(2001年6月)に翌年の日程を決定。その際に考慮されたのが「開幕戦を6都市で全国展開し、ファンにプロ野球をアピールすること」だった。それによりセ・リーグが東京ドーム、ナゴヤドーム、広島市民球場で、パ・リーグが札幌ドーム(西武主催)、大阪ドーム、福岡ドームで開幕する運びとなった。 では、それまで採用していた「前年度上位3チームに与えられる主催権」は一体どうなったかというと、2年後(2003年度)に反映させることになった。それ以降、2010年まで表2のようにセ、パ両リーグともに「前々年度(2年前)上位3チーム」に主催権が与えられることとなった。ただし、2005年パ・リーグ開幕カードに関しては、2003年度3位の近鉄バファローズが2004年をもってオリックスに吸収合併されたため、2003年度4位のロッテが主催権を獲得している。