エレガント人生の2人の関係性が素敵すぎる!「皆さんの人生や日常に寄り添える小説に」コンビ共著『酔い醒めのころに』
YouTube登録者数50万人超の男女お笑いコンビ・エレガント人生の山井祥子と中込悠が、コンビ共著による小説「酔い醒めのころに」を9月1日に発売した。 【写真を見る】エレガント人生の2人が執筆した小説「酔い醒めのころに」 短編集形式で、男女6人のリアルな日常を交互に描き最終章で男女が出会う構成となっている本作。作中には、パパ活、インフルエンサー、メンズメイクなど、現代のキーワードが多くちりばめられZ世代のリアルを感じさせる作品となっている。 今回はエレガント人生・山井祥子と中込悠にインタビューを敢行。小説執筆に関してや自身のお酒のエピソードなど、たっぷり語ってもらった。 ――本作はどういった経緯で制作するに至ったのですか? 山井「そもそもコンビになったときから物を書く仕事がしたいねと話していて、今年の1月ぐらいにお話をいただいて、小説を書いてみようっていう感じで」 中込「もともと僕たちが単独ライブをやるときに毎年取材をしてくださっている方がいて、その方に『いつか文章を書く仕事がしたい』というお話をしてたので、それでお話をいただいたような感じですね」 ――今回この執筆に当たって、意識した作家さんや自分が影響を受けた作家さんはいますか? 中込「僕は今回帯を書いていただいた一木けいさんの影響をめちゃくちゃ受けています。一木さんの作品も、主人公が1人に絞られないというか、脇役のように見える人にも人生があって...みたいなことを作品として書かれてることが多くて。そういうものが書けたらいいなと考えていたので、すごく影響を受けていますね」 山井「今回この作品を作るにあたって意識した人はいなくて、というかむしろ、この話が決まったときから、引っ張られないように、あんまり読書しないようにしていましたね」 ――共著というのは、どのように書かれたのですか?また、お互いが書かれたものを読まれたときの感想はいかがでしたでしょうか? 中込「章ごとに主人公が分かれるように作っていまして、男性パートは中込が書いて女性パートは祥子(山井)が書いてというように分担しました。一つの章は完全に自分が書くというように振り分けています」 山井「話の構成はまず2人で喋って決めたんですけど、執筆に取りかかってから分業になりました。話し合って大枠は作っていたので、お互いの章を読んでも割とすんなり受け入れられたと思います」 ――お互いが書いた章で、特に気に入っている話はありましたか? 中込「最終章の7章は祥子が担当しているんですけど、それを読んだときは、ひと筋、涙がつーっと...」 山井「嘘だね(笑)」 中込「流れそう、になりましたね、本当に」 山井「私は6章だな。6章はそれまでに登場してた人物が一堂に会する場面で、前の章とは変わった作りをしている章なので、いいアクセントになっているなと思いました」 ―― 本作は目次にもあるように"お酒"がテーマの一つかと思いますが、どういう意図があったのでしょうか? 中込「最初に2人で書くに当たって、飲み会のような男女がたくさん出てくるような話がいいなとざっくり考えていました。テーマとして"お酒"というのは良いと思って。男女が交わりそうな感じもあるし、みんながお酒を通して苦い経験とかもあったりして、という感じで始まったんです」 ――出てくる登場人物の解像度が高いなと感じたのですが、キャラクターの設定はどうやって深掘っていたのでしょうか? 中込「小説の中には出てこなくても、構想の段階で、1人1人のキャラクターの家族構成や卒業した大学、普段着ている洋服のブランドなどの裏設定を全部細かく考えていました。」 山井「なるべくキャラがばらけるように、というのも考えたところではありますね」 中込「そうですね。飲み会のときに同じようなキャラが2人いることは、全然あることだと思うんですけど、そこは読む人が飽きずに小説として話を進めるために、キャラクターがばらけている方がいいと思って調整しましたね」 ――このキャラ設定の作り方は普段の動画作りでも通じるところがありそうですね。 山井「そうですね。見えている部分と見えてない部分、良い人の悪いところ、悪い人の良いところ、遊んでいる人のピュアなところ、とか...人って、すごく複雑なものじゃないですか。動画でも小説でも、いろんな要素を持っているその人の"複雑さ"というのが垣間見えるように、という部分は考えていますね」 ――本を執筆するにあたって難しいポイントや大変だったポイントはありますか? 中込「6章は今までの登場人物が出てくるということで自分の書いたキャラクターはともかく、祥子の書いたキャラクターがどう絡むか、という部分が難しかったです」 ――9月1日に発売をされて、反響は届いていますか? 中込「YouTubeで生配信をしたり、お渡し会のイベントをさせてもらったりして、実際に読んだ方からたくさんコメントをいただきました。動画が好きと言ってくれる人からは、『リアリティがあってぶっ刺さりました』という声もいただきましたね」 ――祥子さんは、小説家か芸人になるか迷った時期もあったとか。お2人がお笑いの道に進んだきっかけは何だったのでしょうか? 山井「小さい頃から目立ちたがり屋で、目立つ役があると率先して立候補するようなタイプで。子役でも女優でも何でもいいから芸能人になりたいみたいな気持ちがずっとある中で、本とお笑いがどんどん好きになっていったんです。迷ったときに、芸人になったほうが本も書くことできるかなと思って芸人を選びました。芸人になりたいと思ったのは、お笑いが好きなのと、目立ちたがりだったから、かもしれないですね」 中込「僕は小学校のときに、クラスに毎週水曜日教室の後ろでコントをやる"お笑い係"っていう係があって。それまで僕はそういうのは全然やるタイプじゃなかったんですけど、小学生の当時の僕が自分を変えたくて、お笑い係に入って人前で笑いを取るというのが原体験としてありました。お笑いを好きになって、M-1を見て育って、高校の文化祭の漫才をやったりして。友達の前だからめちゃくちゃウケるんですよ。その感覚がずっとあったんですけど、うちは『普通に育ってほしい』っていうタイプの両親だったので、大学も行って一旦就職もしました。ただ、どうしてもその感覚が忘れられずに、社会人を辞めたという感じですね」 ――活動をされるうえでのモチベーションはありますか? 山井「モチベーションとまたちょっと違うかもしれないんですけど、他のお仕事とは違って、自分でもびっくりするようなお仕事をいただけるんですよね。自分が経験して来なかったジャンルの仕事をいただくことがあって。そうすることで、ずっと飽きずに、自分の中の引き出しがどんどん開いていくような感じなんです」 中込「コンビとして単独ライブを毎年やらせてもらっているんですけど、それをおじいちゃんおばあちゃんになってもやりたいっていうのがモチベーションとしてはかなり強くあります。YouTubeも、もともとは単独ライブに繋げるために始めたっていうのもあって、やっぱりいろんなことが単独ライブに繋がっている。『単独ライブを毎年見たい』と思ってもらえるようになりたいというのがかなり強くありますね」 ――2人はお酒について印象に残っているエピソードとかってあったりしますか? 山井「ぱっと思いついたのは、19歳で(吉本の)養成所に入って、20歳になりたての頃にもう辞めちゃった年上の同期の女の子が飲みに連れてってくれて。私は本当に真面目に生きてきたので、お酒の情報は全然知らなくて。何となく、"チャイナブルー"というカクテルを頼んでみたら真っ青なのが出てきて、なんかもう、本当にすごくドキドキしてね。私がトイレに行っている間にその女の子がお会計してくれて、『大人の仲間入りだね』なんて言って。だからいまだに、青い液体見るとちょっと泣きそうになっちゃうんですよね。」 中込「僕たちはもともと飲み友達で、コンビを組む前もしょっちゅう飲んでいたんです。普通はコンビで飲むとかってなくなるんですけど、僕らはコンビを組んでさらに飲みに行くようになって」 山井「そこでどんどん進んでいけるというか、嫌なこともそこで解消するし、これからの展望とかも喋るんで、自分たちの擦り合わせみたいなものをしているから、本当にコンビ間での飲みニケーションだよね」 中込「滑ったときに朝まで鳥貴族で飲んだ日もありましたね~」 ――飲み友達の頃と、今とで話題は変わりましたか? 山井「昔は何をしゃべってたんだろうね...?」 中込「昔は別々のコンビだったので、お互いがやっていることも違うんですけど、今はもうなんか2人の話をするんですよね。これからどうなりたいとか、何をやっていこうとか」 山井「共通の知り合いもがどんどん増えてくるので、話題は無限にありますね」 ――夢の話で熱くなったエピソードはありますか? 山井「それぞれやりたいことがあったり、2人での夢もありますね」 中込「まさに今回の文章の仕事というのも『いつかやりたいね』と話していた仕事だし、僕は洋服が好きでファッション系の仕事とかも入ったらいいなとか、さくらももこさんが大好きなので、さくらももこさんに関わるようなことがしたいなとか...夢はたくさんあります」 山井「私はミュージカルや、芝居。ドラマや映画、舞台。あとはエッセイやコラム書いたり、文章の仕事も引き続きやっていきたいなと思っていますね」 ――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします! 中込「やっぱり生きているといろんなことがあると思うんですけど、周りの人もすごく大きなものを抱えていて、ただそれが見えないだけ、ということがあると思っていて、僕はそういうこと想像しながら生きていくのがすごく大事だと思っているんです。今回の小説を通してそういうことが少しでも読者の方に伝わるといいなと思っています」 山井「もし小説を読んでいない方がいたら読んでほしいです。劇的なお話ではないんですが、だからこそ皆さんの人生や日常に寄り添える小説だと思います。自分の人生のことを『地味で大したことない』と思ってしまっている人も、大変だし、戦っているし、素晴らしいドラマが起こっていると思うんです。小説を読むことで、生きるためのヒントや、力になったらいいなと思いますね」
HOMINIS