Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

NY発、コロナ哀悼の日本画 ピアノ曲乗せSNSで公開 佐賀県出身の原田さんとタナカさん

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
佐賀新聞

 新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた米ニューヨークに住む2人の佐賀出身アーティストが、コロナで失われた世界中の命への哀悼の思いを託した作品を生み出した。柔らかな光に包まれた柳の芽吹きに再興への願いを込めた日本画に、穏やかなピアノの旋律と生活の音が寄り添う作品で、会員制交流サイト(SNS)で公開されている。  西松浦郡有田町出身の日本画家、原田隆志さん(51)の作品「Yanagi」(縦120センチ×横120センチ)に、鳥栖市出身のミュージカル作編曲家コウ・タナカさん(29)が約1分間の音楽を乗せた。在ニューヨーク総領事館がコロナ禍で苦境にあるアーティストを支援しようと企画したプロジェクトに原田さんの作品が選ばれ、原田さんがSNSのクリエイターコミュニティーで出会ったタナカさんに作曲を依頼した。  ニューヨーク州ではコロナによる死者が3万2千人以上になり、ロックダウン(都市封鎖)も経験した。原田さんの絵は、古代ヨーロッパで「鎮魂の植物」と言い伝えられたという柳の葉の間から、まばゆい光がのぞく。日々、数百人が亡くなる中で「感覚がまひしそうになっていた」タナカさんは、報道される死亡者の名簿を見て「死亡者数はただの数字ではない。そこにそれぞれの人生があった」と思いを新たにし、もの悲しく穏やかなレクイエムに人の日常音を重ねて生活の気配を添えた。  7月には感染者数の減少で、経済活動を再開する「フェーズ4」に移り、延期になっていた原田さんの個展も8月11日に始まった。オフブロードウェイミュージカルの公演が延期になっているタナカさんは、舞台を諦めまいとする役者や演奏家らが自宅で収録した映像や音声を編集したオンライン公演に9月19、20の両日、臨んでいる。  原田さんは「今は自分にできることを日々積み上げていくしかない。アートに直接触れる経験ができる状況が戻ってくると信じている」と力を込める。作品はタナカさんのフェイスブックで視聴できる。(花木芙美)  こう・たなか 1991年鳥栖市生まれ。鳥栖高吹奏楽部で音楽を始め、HAL名古屋・ミュージック学科で作曲を学ぶ。2018年からボストンのバークリー音楽大学に留学し今年5月に卒業、8月からニューヨーク在住。  はらだ・たかし 1969年有田町生まれ。窯元で生まれ育ち、武雄高から東京芸術大学日本画コースに進み博士課程を修了。ドイツやフランスなど海外を転々とし、2007年からニューヨークを拠点に活動する。

【関連記事】