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Jヴィレッジ除染めぐる東電と福島県の隠し事

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東洋経済オンライン

 東京電力の原発事故により7年にわたって使用不能となったサッカーのナショナル・トレーニング施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)。放射性物質の除去(除染)を伴う復旧工事に関しての取材の問い合わせ内容や情報公開請求をしたフリージャーナリストの氏名などの情報を、福島県の職員が東京電力に提供していたことがわかった。 この記事の写真を見る ■福島県の情報漏洩を物語る東電の社内記録  東洋経済は、福島県職員による個人情報の漏洩を裏付ける東電の原子力・立地本部広報グループが作成した記録文書を入手した。

 5月13日付けの記録文書は、福島県職員からの情報提供の実態を赤裸々に物語っている。  「Jヴィレッジの原状回復工事に関して、東洋経済岡田記者が福島県に問い合わせを入れたとのこと。岡田氏は事実関係の確認に加えて、福島県に当社の公表を止めているのではないかといった質問を当ててきたようで、福島県としても、早期の公表に向けて県庁内で調整を行いたいとの話が〈当社の〉立地地域部にあった」(編集部注:〈 〉内は説明のために加筆、以下同)

 「本日〈5月13日〉夕方、福島県の担当課長と話し合いを行うことになっているが、福島県としては、〈フリージャーナリストの〉おしどり〈マコ〉氏から5月14日期限で情報公開請求を受けており、5月14日に〈当社と福島県との間で〉公表の調整となる見通し」  メディアから取材を受けた事実やその内容を、福島県の職員が東電に伝えていたのである。それだけならばまだしも、福島県はさらに重大な不正をしていた。情報公開制度に詳しいNPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長によれば、「福島県が情報公開請求手続きをしたフリージャーナリストの氏名を東電に知らせたことは、福島県個人情報保護条例違反に該当する可能性が高い」という。

 そのうえで三木氏は、「同条例では、氏名などの個人情報の利用目的外での第三者提供を原則禁止とする旨規定されており、例外的に認められる場合に該当せず提供するのは、個人情報の漏えいに当たる」と指摘する。  いったいなぜこうしたことが行われたのか。それは、Jヴィレッジという施設をめぐる東電と福島県の関係の特殊性を抜きにして考えられない。  Jヴィレッジは東電が建設した後に、福島県が所管する財団に寄贈されて1997年に開業した。当時、東電には福島第一原発7、8号機の増設やプルサーマル(ウラン・プルトニウム混合燃料による発電)の計画があり、福島県や立地自治体の同意を得る必要があった。こうした経緯もあり、Jヴィレッジの寄贈は、新たな原発の建設を認めることなどと引き換えにした地元への見返りではないかとも指摘されていた。

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