報道経験ないニュース系インフルエンサー、米若者の頼れる情報源に
(ブルームバーグ): 米国で多くの若年層が頼りにする情報源は、大抵が報道の訓練や経験のないソーシャルメディアの「ニュース系インフルエンサー」であることが、ピュー・リサーチ・センターの新たなデータで分かった。
ピューの調査によると、30歳未満の成人の約40%が、ニュース系インフルエンサーから時事問題や政治の最新情報を入手している。こうしたインフルエンサーの大半に上る77%は、報道機関に所属せず、メディアでの勤務経験もない。
新たなデータはメディア環境の変化を浮き彫りにした。若者を中心に、政府や社会問題、経済といった重要なニュースについては、非伝統的な情報源の利用が一段と増えている。
今回の調査は、米国の成人1万人とニュース系インフルエンサー500人が対象となった。
ピューが調査したところ、TikTok(ティックトック)のニュース系インフルエンサーのうち84%はジャーナリズムの仕事をしたことがなく、そのうちおよそ4分の3は、チップの要求や商品販売、別のサブスクリプション(定額課金)への宣伝などで、ニュース分析コンテンツの中で金儲けしようとしている。
インフルエンサーは一般的に、編集担当者などの事実確認のチェックを受けることなく、投稿したい内容を自由に投稿している。ピューは調査報告書で、インフルエンサーは個人的な意見と事実を混同することが多いと指摘。政治や社会で注目を集める問題について自らの立場を表明するだけでなく、投稿と並んで商品を販売したり、フォロワーに寄付を求めたりして、共有する情報を自らの利益につなげていると分析した。
原題:Young Americans Rely on Social Media Influencers for News: Pew(抜粋)
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Alexandra S. Levine, Aisha Counts