【ジャパンC・生情報】引退レースのオーギュストロダンは前日も追い切り並みの時計 オブライエン師「調子はとてもいい」
[GⅠジャパンカップ=2024年11月24日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2400メートル] 3頭のビッグネームが来日した今年のジャパンカップだが、その中でも大将格はオーギュストロダン(牡4・Aオブライエン)。ディープインパクト最終世代の一頭にしてGⅠ6勝の実績を誇る名馬は23日朝、東京競馬場のダートコースで速めのキャンター調整を行い、ラストランへの態勢を整えた。素軽い走りとはいえ、7ハロン98・8ー83・4ー68・2ー53・4ー39・6ー13・1秒。ちょっとした追い切り並みの時計をあっさりとマークした。 それでも管理するA・オブライエン調教師は「予定通り1600メートルのキャンターを行いました。後半は速めにやりましたが、馬の調子はとてもいいので、非常に満足しています。集中力を保ちながらもリラックスしていますし、レースに向けて準備が整っています」とクールな口ぶり。そのうえで「ムーア騎手も枠順(5枠8番)には満足していましたし、日本のレースについては私よりも詳しいので、彼が騎乗するのは心強いですね」と鞍上に全幅の信頼を寄せた。
高速決着にも対応可能!
重い馬場で知られるヨーロッパで実績を積み重ねてきただけに、気になるのは府中の高速馬場への適性。そこで思い出されるのはリチャードソン厩務員が2歳時の同馬に初めて騎乗したときの印象だ。「動きもそうですし、走り方がとてもスムーズに走れていて、他の馬とは比べ物にならない印象を受けました」という言葉からは、ディープ産駒らしくスピードを持続できること、すなわち日本の馬場への適性を感じさせる。同厩務員は今年のカルティエ賞(欧州競馬の年度表彰)でホースオブザイヤーを受賞したシティオブトロイ(牡3)の背中も知る腕利き。そのお墨付きが与えられたなら、馬場への懸念は杞憂となりそうだ。 A・オブライエン調教師といえば、同じディープインパクトを父に持つサクソンウォリアーやスノーフォールといったクラシックホースも管理した世界一のトレーナー。その名伯楽に「素晴らしい種牡馬だと思います。残念ながら最後の方の産駒しか調教することができなかったのが、いま思えば悔やまれますね。スピードがありますし、動きも素晴らしいので、もっと早く産駒に携われれば良かったと思います」とまで言わしめた英雄の遺伝子は、アイルランドからやってきた思考者にも確かに宿っている。
東スポ競馬編集部