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二兎を追う者は一兎も得ずだが、巨人・戸根の二刀流はどうなる/川口和久WEBコラム

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投手戸根は崖っぷち

 巨人の戸根千明の二刀流のプランに原辰徳監督がGOサインを出した。  27歳の左の中継ぎ。入団年の2015、2年目の16年はいずれも40試合以上登板とフル回転したが、その後、故障が増え、昨年はヒジの手術も受けている。  タイプとしては、貴重な左サイドであり、制球はアバウトながら勢いのあるときはぐいぐい押していくパワーがある。  だが、ゴルフでいうバウンズバックというか、状況が悪い場面から立ち直る力には物足りなさがあり、傷口を広げてしまうこともあった。  今シーズンは右ふくらはぎのハリで出遅れた。体調が万全になれば一軍に上がってくることもあると思っていたが、昨年までのピッチングを見ていると、今の原野球の勝ちゲームでは使いづらい。負けゲームでの起用になるかなと思っていた。  ただ、27歳となると、チームもなかなか我慢して使おうとはならない。ダメならすぐ落とされたはずだ。  投手・戸根が崖っぷちにいたことは間違いない。  戸根が打者として力があることは知っていた。18年のファンフェスタを見たが、力強いスイングをしていた。上背はないが、100キロとボリュームがあり、筋肉量もある。ボールを遠くに飛ばすセンスもありそうだった。  27歳が微妙かな。もう少し若ければ本格的な打者転向も面白かったかもしれないが、この年齢になると、首脳陣も2年か3年と期間を区切っているはずだ。  二兎を追う者は一兎をも得ずと言うが、まずは徹底的にバッティングを鍛えることじゃないかな。  時間は有限だ。投手があると逃げ道を考えず、いかに死ぬ気でやるかだと思うよ。  1つ戸根にプラスになると思うのは、二軍監督・阿部慎之助の存在だ。左で長打力を秘めたバッターとなれば、現役時代の慎之助だからね。彼が戸根をどんなバッターにするかも注目したい。  原監督の投手の打者起用といえば、02年、桑田真澄の代打が有名だ。  奇策ではなく「バスターなら真澄が一番うまいから」と起用の理由を話していたが、確かに原監督の采配には常に根拠がある。奇策のようで奇策じゃない。  実際、投手は高い打撃センスを持っているタイプが多く、松坂大輔の代打もあった。  ただ、戸根は桑田、松坂とはタイプが違う。器用じゃないが、当たれば飛ぶ、というかな。  今年は中日が野手を使い切ったゲームもあったが、過密日程を考え、延長10回までとはいえ交代が早めの総力戦が多い。投手が打者としての力を持っていればチームにとって優位になることは間違いない。  原監督が戸根の二刀流を認めたということは、故障がない限り、一度はチャンスをもらえるはずだ。  問題は、それを生かせるかどうか。  終盤戦、太めのジョーカーとして活躍する可能性がないわけではない。 写真=BBM

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