総裁選で急浮上「高市早苗氏」にくすぶる“リーフレット問題” 「自分だけではない」と反論も識者は「とても自民党の総裁を目指す人の言葉だとは思えません」
郵送の費用は5400万円!?
「自民党が今回の総裁選で急に“クリーンな選挙”を打ち出したのは、自分たちが裏金事件を引き起こしたからです。いつも以上に『自民党はカネに汚い』というイメージが国民の間に流布しており、候補者の資金力で当落が決まってしまうと、自民党に対する“カネと政治”の批判が再燃してしまいます。しかもリーフレットの作成と郵送は、私たちが漠然と想像している金額より、はるかに多額の予算が必要だということは注目に値します」(同・記者) 18日に奈良市で開かれた地元秘書の会見では、「リーフレットは国会議員や党員など、約30万人に対し、ゆうメールを使って送付した」と説明された。 「最初に定形郵便の切手代を確認しておきましょう。10月1日まで84円なので、30万人に郵送するためには2520万円が必要です。これでも相当な金額ですが、ゆうメールの最低料金である180円で計算すると、合計額は5400万円に跳ね上がります。さらにリーフレットと封筒の印刷、宛名の印字、封入作業を業者に委託したことも高市氏側は明らかにしました。積もり積もれば、相当な額に達するのは間違いありません」(同・記者)
公選法は事前運動を禁止
言うまでもないことだが、リーフレットをPDFで作成し、メールなどで議員や党員に送付すれば、「カネのかからない選挙」が簡単に実現できるはずだ。 またXなどネット上では、石破茂、茂木敏充、河野太郎の3候補が発送したとされるリーフレットの画像が拡散している。 自民党きっての論客として知られる高市氏が「郵送したのは自分だけではない」と主張する根拠はあるようだ。しかし具体的な候補者名を言及しないため、いつもの高市氏とは違って歯切れの悪さを感じる。政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。 「実は前回の総裁選でも、一部の候補者は党員などにリーフレットを配っており、『党員の投票行動にかなりの影響を与える』と評判になったのです。ある自民党の国会議員は私に、『リーフレットの郵送は効果があり、票が動く』と明かしてくれました。ただし、いくら自民党の総裁選が公職選挙法の対象ではないにしても、リーフレットの郵送はれっきとした事前運動であり、公職選挙法は事前運動を禁止しています。事前運動がほめられたものでないことに異論の余地はなく、総裁選の選管が禁止事項を9月3日に決めようが決めまいが、リーフレットの郵送に問題があることは明らかです」 しかも高市氏の「郵送作業は9月4日の前、8月中に終わっており、違反行為ではない」という反論も説得力を欠くという。