【このニュースって何?】兵庫県知事選でSNSが議論に → SNSのよくないところって何?
マイナス面を小さくするためにできることは?
そうした負の側面のあるSNSですが、今さらなくすことはできません。わたしたちが当面できることは、SNSと上手に付き合うことです。わたしが必要だと思うのは、知らない情報に出合った時にはまず情報源(ソース)を確認することです。ニュースの形で流れるものについては、どのメディアが報じているのかを確かめることが大切です。ソースが新聞社、テレビ局、通信社などのマスメディアの場合は、基本的に信用していいと思います。マスメディアは多くの場合、「裏をとる(確認する)」という作業をしています。誤報もないわけではありませんが、ごくわずかですし、誤報ということがはっきりすれば訂正されます。 ソースが表記されていない情報が流れてきた場合は、同じ情報がソース付きでネット上に存在しているかどうかを調べてみましょう。ソース付きの同じ情報がどこにも見当たらない場合は、真偽不明として留保して拡散しないようにしましょう。 最も大事なことは、情報をSNSに頼りすぎないことです。マスメディアにも接するようにしたり、立場の異なる多くの人と交友したり、いろいろなジャンルの本を読んだりすることなどで、多様な情報を得て、柔軟で幅の広い思考力を身につけることができます。 百数十年前、自動車が本格的に社会に登場した時、人々は交通事故により毎年世界で100万人以上の人が死亡する道具になるとは思いもしなかったでしょう。ただ一方で、自動車は多くの人の命を助け、生活を豊かにしました。人類は自動車をなくすという選択はせず、様々な規則を作ったり技術を発展させたりして、交通事故という自動車のマイナス面を小さくする努力をしてきました。SNSは社会に登場してまだ20年にもなりませんが、人類はそのマイナス面をできるだけ小さくする努力をし続けなければならないと思います。
一色清 ジャーナリスト