「発端は日本の”黒ムツ”」猫13匹を殺害した元税理士ら日本の動物虐待犯たちが、中国「動物虐待ビジネス」で神格化されるおぞましさ
世界40か国以上から抗議の声が上がる
中国で動物虐待ビジネスが横行していることを知った鈴木さんは、SNSを通して抗議活動を始めた。その過程でヨーロッパの動物保護団体関係者とも連携して活動をしていた楊さんと出会い、一緒に活動することになったという。 「私たちの一致した目的はただ一つ。苦しむ動物たちを救うため、中国国内での法整備の必要を訴えることです」(楊さん) ただし、中国では政府がSNSをすべて監視しており、InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなど全世界で閲覧できるようなサービスにアクセスすることが通常はできない。そのため楊さんら中国メンバーはあらゆる手段を使い、国外に情報発信を続けているが、これは中国では非常にリスクが高いこととされる。それでも全世界に問題を知ってもらいたいと発信を続けているという。 楊さんと鈴木さんは現在、同じ志をもつ複数の中国人、日本人らとともに、中国での動物虐待を防止する法整備を求めたアクションを続けている。 これまで日本以外にも40ヵ国以上で抗議活動が行われており、2024年11月17日にはチェコの中国大使館前でも虐待ビジネスへの抗議と法整備を求める集会が行われている。さらにトルコなど複数の国のメディアも中国の動物虐待ビジネスについて報じており、世界的な問題へと発展している。 鈴木さんは「中国の虐待ビジネスは日本にとっても無関係な話ではない」と話す。
神格化される日本の動物虐待愛好家たち
「実は日本の動物虐待犯たちは海外で神格化されているんです。こうした動画やサイトは、日本の虐待愛好者たちの影響も大きいとみられます。十数年前、個人向けの動画配信サービスができたとき、すでに現在の中国で問題になっているような虐待動画が日本では撮影され、共有されていました」(前出の鈴木さん、以下「」も) 日本でも個人サイトや匿名掲示板などへの動物の虐待写真の投稿は2000年代初めごろから行われている。2002年に福岡県の男が子猫を殺害する様子を撮影し、匿名掲示板に投稿する事件が起きた。男は動物愛護法違反で逮捕、起訴され懲役6ヵ月・執行猶予3年の判決を受けた。 さらに2017年には元税理士の男が猫に熱湯をかけたり、ガスバーナーで焼き殺したりするなどの虐待動画を投稿していたことも社会問題になった。男は逮捕・起訴され、あまりの悪質さに判決は当時としては最も重い懲役1年10ヵ月、執行猶予4年だった。 「特に元税理士は、残酷な虐待の数々を匿名掲示板で公開。“黒ムツ”(黒いムツゴロウさんの略)と称される虐待愛好者たちから英雄視、称賛されたことで、虐待がエスカレートした経緯があります。 “黒ムツ”たちは仲間内で動画を共有し、さらなる称賛を求めて虐待を続けます。これまでは承認欲求や自己顕示欲のために愛好家たちが虐待を繰り返していたのが、個人でも動画やSNSが収益化できることになったので、虐待愛好家ではなくても、カネ儲けのために命を軽んじている人々もあらわれたんです」 そして今、“黒ムツ”たちは、中国の虐待動画ビジネスに目を付けている。 「テレグラムには日本人アカウントではないかと疑わしいものが確認されていますし、動画を購入している“黒ムツ”は少なくないでしょう」
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