廃業したゲーセンから譲り受けた「音ゲー筐体」を9年越しに修理 悲願を果たしたゲーマーに祝福の嵐
廃業したゲームセンターから譲り受けた音ゲー「ギターフリークス」を、9年かけて自力で復旧したプレイヤーがTwitterで注目を集めています。諦めずにがんばった! 【画像】直ったゲームで軽快にプレイ 音ゲーファンの夢をかなえたのは、TwitterユーザーのTETSUYA-XG(@tetsuya_mjg)さん。勤めていたゲーセンが店を畳むとき、「ギターフリークスは廃棄だから、メンテとか大会とかいろいろがんばってくれた君が好きにしていい」と社長に言われ、解体して基板や操作系のみ譲り受けたのだそうです。 しかし、いざ起動を試みると、本体は電源すら入らない状態。マニュアルも回路図も処分されていて対処のしようがなく、長年動かせないでいたそうです。 困り果てていたTETSUYA-XGさんですが、2020年になって救いとなるツイートを発見。それは電子工作に明るい「たじけん」さんが、ギタドラ(ギターフリークスとドラムマニアで構成されるゲーム)の基板について語る内容で、まさに求めていた情報でした。 たじけんさんとの相談で有効な解決策を得たTETSUYA-XGさんは、ようやく起動に成功。対応するディスプレイを苦労して調達し、家で遊べる状態まで整えました。Twitterでは「おめでとうございます」「なんか泣けてきた」「愛ですね……」など、賛辞と祝福の声が多数寄せられています。 ねとらぼ編集部はTETSUYA-XGさんを取材し、復旧を果たすまでの苦労などを詳しく聞きました。
Twitterで生まれた縁が悲願達成のきっかけに
―― 勤め先の廃業前、ギターフリークスは動く状態だったのでしょうか TETSUYA-XG 営業最終日まで通常稼働しておりました。基板や操作系を残していればプレイ可能な状態で起動させられるだろうと思い、閉店後に筐体をバラしたのですが、後日起動を試みるも不可能な状態でした。解体した後で起動しなくなったということで間違いありません。 ―― 起動させる上で一番大変だったことはなんでしょうか? TETSUYA-XG 起動できない原因は電源関係であることは、およそ見当が付いておりました。しかし詳細は不明で、マニュアル類も処分されていたため原因を突き止めるに至らず、長い年月が過ぎてしまいました。 そんな折、あるゲームセンターでギターフリークスとドラムマニアとキーボードマニアの超レアなバージョンが期間限定で稼働中というツイートを発見し、ファンとして居ても立っても居られずに訪れたとき、あるフォロワーさんにお会いし、意気投合しました。そこで私がギターフリークスの基板に困っているという話題になたとき、たじけんさんのツイートを教えてくれたんです。 その添付資料で、電源関連の配線に欠品があると判明しました。筐体の解体時は、接続されている機器を全て回収していたつもりだったのですが、筐体内の配線を抜いていく際に、必要なケーブルを間違って廃棄してしまっていたようです。それもこのたじけんさんのツイートにたどり着くことで判明しましたし、別の打開策も分かりました。リアルとネット両方で良い出会いに恵まれたと思いますし、Twitterの可能性をあらためて認識できました。 ―― 復旧用の部品も調達が大変だったのでは? TETSUYA-XG 必要な部品自体はネット通販ですぐに購入できました。本当に便利ですよね(笑)。ただ、電子工作は未経験だったので、初めて圧着ペンチを握り、コネクタやケーブル、ピンなどを恐る恐る組み立てて自作していきました。回路図の見方も分からなかったので、ケーブルの1本1本を手探りで突き止めていったり、専門知識を教えてもらったりで大変でした。しかしなんとかなるものですね。 一番入手に苦労したのはモニターですね。基板から出力されている映像信号の周波数に対応しているモニターを調べても情報が少なく、周波数の変換器もレア物で、ネットを探しても双方ともになかなか見つかりませんでしたが、なんとか情報をつかみ、対応機種を購入できました。 ・・・・・ ギターフリークスは「人生を捧げた存在」と語るTETSUYA-XGさん。今後は家で存分に遊べるわけですし、長い付き合いになりそうです。 画像提供:TETSUYA-XG(@tetsuya_mjg)さん
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