表彰台で金メダルを手に笑顔を見せる角田夏実（撮影・中田匡峻）

　「パリ五輪・柔道女子４８キロ級」（２７日、シャンドマルス・アリーナ） 　２１～２３年世界選手権３連覇の角田夏実（３１）＝ＳＢＣ湘南美容クリニック＝が、決勝で世界ランク２位のバブドルジ（モンゴル）に優勢勝ちし、金メダルを獲得した。同階級での金メダルは２００４年アテネ五輪の谷亮子以来２０年ぶりで、３１歳１１カ月での金メダルは日本女子史上最年長となった。 【写真】恋愛もパワーに変えて悲願の金メダル獲得　表彰台で涙を浮かべる角田夏実が美しい 　一人の女性として、恋愛もパワーに変えてきた。高校時代は他校の柔道部員と交際していたが、まだ未熟で、「喧嘩した時は柔道の練習でも引きずって、泣いて身が入らないこともありました」。当時は気持ちの波が競技に直結しており、「恋愛がうまくいっている時は楽しくて、その時の試合の成績はよかったけど、メリハリがうまくなかった」。ただ、公私をうまく切り替えられるようになってからは、どちらもいいバランスで両立できるようになった。 　大学時代は、柔道部の３年上の先輩と交際しており、朝の柔術練習にも互いに励まし合いながら自主参加していた。部の関係者によれば、その先輩は部内でも一番のイケメンで、柔道の実力も一番強かった。当時１年生の角田がいつの間にか付き合っていたといい「柔道も恋愛も狙ったら逃がさない“スナイパー”ですね」と同関係者は笑う。 　社会人になってからは、１２年全日本選手権王者の加藤博剛さん（３８）と交際し、報道陣にも隠すことなく公表していた。２２年末に別れることになったものの、加藤さんも得意だったともえ投げや寝技、大きな相手を攻略する巧みな組み手や戦術眼などは、角田の独特な柔道スタイルの血肉となった。今でも、稽古などで時折サポートしてくれているという。 　公私を両立しながら、独自の柔道スタイルで栄光をつかみ取った。