全米メディアにまで波紋を広げた大谷の165キロ「日米最大の衝撃だ」
統計記事を得意とするベン・リンドバーグ記者は、大谷の詳しい記録にも踏み込んでいる。日本のデルタグラフを紹介し、「大谷はWAR(そのポジションの代替可能選手に比べてどれだけ勝利を上乗せしたか)が10.4であり、打者としては4.6、投手として5.8であると伝えた。投手と打者を合わせたWARはマイク・トラウト(エンゼルス)の最高のシーズンと大まかにいって同じではないだろうか」と述べた。 数字から大谷の力を図ろうとする試みは続く。 米国には日本の選手をメジャーリーグの成績に換算しようという試みがあり、Zipsプロジェクションと呼ばれる換算法が考案されている。これによるとNPBはメジャーリーグの85-90%の難易度だという。 「これを考慮すれば、大谷の成績はメジャーリーグよりもややレベルの低い選手との対戦で少し上積みされているだろう。また、WARの数字が驚くほどよいのは日本の試合数がメジャーに比べて少ないことと、マメをつぶして登板数が少なかったこととも関係しているだろう」と冷静に分析もしている。 また、球速から大谷とメジャーリーグのトップ投手を比較。「メジャーリーグでは大谷よりも平均球速が速い先発投手は5人しかいない。大谷は必要なときには100マイル(160キロ)を投げることのできる投手だろう。彼はそうしなければいけない打者と対戦すれば、より速い球を投げることが増える。世界で2番目にレベルの高い日本のプロ野球で相手選手をリトルリーグにしてしまうようなプレーをしている」と伝えた。 投手としての大谷の特徴を「NPBで90イニング以上投げている投手のなかでは、2番目に引っ張った打球を打たれていない投手でもある。また、ストライクゾーンの外の球を振らせる率は4番目で、打者にコンタクトされる率は最も低い。大谷のカーブは日本で最もよく、フォーシームは3番目、スライダーも3番目。彼の投げるすべての球はやっかいだ」と日本のデータを詳しく分析して説明。 打者としての特徴は「打者としても、パ・リーグの平均的な打者よりも良い。バットを振り回す選手ではなく、四球率もランキング8番目である」と紹介した。 そして大谷の二刀流がメジャーリーグでも可能かということについてはこのような見解を披露した。