低迷相場の突破口となるか? 「トヨタ、9月浮上」説の根拠を探る
海外ファンドが下値に玉引き合い
こうした実態面での株価刺激材料とともに見逃せないのが需給をめぐる改善の動きが3つ目の注目点だ。 地合い悪化も響き、株価は8月8日の6360円から18日には6070円まで下落したが、その後、下値には海外ファンドの玉引き合いが広がりつつある模様。また、6月16日申し込み時点で907.5万株に膨らんでいた信用買い残が8月10日時点では365.3万株に減少し、この面での将来の「売り圧力」は緩和している。2500億円の自己株取得枠を5月に設定したあと、7月には1500億円以上の取得に動くなど株式還元に意欲的な姿勢も評価できる。 昨年12月高値7215円から今年4月安値5670円までの下げ幅1545円の半値戻し水準は6442.5円。このレベルを超えてくると、戻り相場にリズム感がよみがえる可能性が高い。 (証券ジャーナリスト:神田治明)