「妻には言わないでほしい」 口論の引き金は”支払われなかった740万円の手付金” 小学校教員の妻(当時35)を殺害した罪に問われた夫(42) 事件直前にマンション購入めぐるトラブル
■涙ながらに謝罪も「マイナス面を証言することは必要」 2日の被告人質問。 終盤は弁護士から遺族への思いについて問われた。 弁護士:「被害者をミイラ化させたことについてはどのように考えていますか?」 渡辺被告:「その場で救命するべきでしたし、警察に通報するべきだったと思います。人として許されることでは無かったと思います」 弁護士:「この法廷でお詫び申し上げたいんじゃないんですか?」 渡辺被告:「はい」 そして、渡辺被告は証言台の椅子から立ち上がり、傍聴している遺族の方を向き、裁判長から「座ってください」という指示を受けながらも、涙ながらに謝罪をした 渡辺被告:「本当に申し訳ございませんでした」 謝罪について検察官が質問した。 検察官:「先ほどの涙は何の涙?」 渡辺被告:「妻の遺体を放置し申し訳ないという涙です」 検察官:「謝罪したにもかかわらず、あなたは法廷や取り調べで被害者を侮辱するようなことを言っていますが、それはなぜ?」 渡辺被告:「必要だと思ったからです。」 検察官:「どうして必要?」 渡辺被告:「妻のマイナス面を法廷や警察署での証言として伝えることを悩んでいましたが、必要だと思って話しました。謝罪になっていないと言われたらそうだと思います」 ■「口から内臓のようなものが出ていて・・・」「絶対に許せない」悲痛な遺族の声 10月9日の論告求刑公判。 福岡地裁の傍聴席は全席が埋まり、法廷の外には傍聴を待つ人の列ができていた。 彩さんの弟と父親が証言台に立った。 突如家族を失った悲痛な遺族の声に、涙を流す人もいた。 彩さんの弟 「司くん(渡辺被告)と弁護側は姉のことを散々貶めています。 姉は反論できず悔しいと思います。 司くんは嘘をつく癖がありました。 しょうもないすぐばれる嘘をついていました。 この裁判で出身校を嘘ついていたのも初めて知りました。 姉もその嘘を信じていました。 私が姉に転職を相談した時『一生懸命やってそれでもだめだったらしょうがない』などと背中を押してくれました。 『仕事をさぼってもやりよるように見せたもん勝ち』と私が姉に言った際には、 『それは違うよ。見よる人は見よるよ』と言われました。 それからどんな仕事でも手を抜かないように頑張っています。 姉は一番の相談相手であり、一番の味方です。 人生の大きな決断の時には必ず背中を押してくれました。 (去年10月19日)姉の家に入る直前、司くんに姉が死んでいることを伝えられました。 ドアで嗅いだことのない匂いが強烈にして、「これが死臭か」と思いました。 部屋のドアを開けると、姉が横たわっていました。 正確には布団から黒くなった手と足が出ていました。 顔を見ても誰の顔か分かりませんでした。 すぐに110番と119番をしましたが、冷静になると、姉が死んでいたのは明らかで、救急車を呼ぶ必要は無かったと思います。 事実と違ってまで姉のことを悪く言う人とこれまで仲良く遊んでいたと思うと、 情けなくなります。司くんの非人間的な行動に腹が立ちます。 司くんを許すことはできません。二度と刑務所から出てほしくありません。」 彩さんの父親 「死人に口なしということを痛感しました。 被告や弁護人が自殺に持って行くために彩や私たちを侮辱したことが悔しくて たまりません。 去年の10月19日、長男から『彩が引きこもりになって学校を休んでいる』と 連絡がありました。 彩に電話をしても出ず、司くん(渡辺被告)に相談して彩と話をさせてほしいと 言っても拒否されました。 妻が『声を聞かせてください』と言っても拒否され、『大事にしないでほしい、 月曜日まで待ってほしい』などと言われ、家族全員で彩の家にいきました。 部屋に入る前、被告は妻に『彩は死にました』と言いました。 部屋に入ると異臭がするのに彩の姿は無かった。 毛布をめくると、骨と皮だけの彩がいました。 口から内臓の様なものが飛び出し、手足が黒く、体液のようなもののあとも ありました。 次男は黒くなった彩の手足をさすっていました。 彩が育児をしなかったというのは嘘です。 彩は長女を職場近くの幼稚園に入れ、毎日迎えに行っていました。 彩の帰りが遅いときは、妻が迎えに行くこともありましたが、孫は機嫌が悪くなると『ママがいい』と泣き、彩を慕っている様子でした。 彩は子供を最優先にしていました。 彩が自分の子供たちや学校の教え子を残して自殺することは無いと思います。 被告には嘘をつくことをやめ、正直に事実を話し、刑に服することを望みます。 被告は彩の蘇生もせず、腐ってしまうまで放置しました。 埋葬する気にならなかったと言い、無くなった後に髪を引っ張ったり、 顔を叩いたりしました。 彩の身体や人格をどこまで傷つければいいのか。 彩は死ぬ瞬間、家族の名前を呼びながら息絶えたと思います。」