菅総理の所信表明「グリーン社会実現」と「50年温暖化効果ガスゼロ宣言」がまったく中身がない理由
詳しくは、私の記事(『河野太郎行革相がまず着手すべき電力改革は「容量市場」の見直しだ!』)を参照してもらいたいが、経産省が先日「容量市場」を創設したことは、再エネを販売する新電力に大きな負担を課す一方、石炭火力などに補助金を与えるような効果を持っている。このように、最近の再エネをめぐる政府の政策は言行不一致で、大手電力の圧力に負けた経産省が再エネの事実上の抑制策を推進しているかのように見える。 こうした事実と合わせて50年ゼロの実現ということを考えると、将来的に「国際公約」である50年ゼロは必達目標となり、再エネ普及が進まなければ、原発推進への世論の理解(諦め)につながるというのは、現実味のある読みであるような気がする。 今後の展開を注意深く見て行かなければならない。 ●古賀茂明(こが・しげあき) 1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。『日本中枢の狂謀』(講談社)など著書多数。ウェブサイト『DMMオンラインサロン』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中。古賀茂明の最新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)が10月26日(月)に発売! 初日にアマゾンランキング 行政・官公庁1位、公務員・官僚1位 ■『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(古賀茂明・著、1600円+税、集英社)