桜の保護、ゲームで学ぶ 茨城・日立のかみね公園で親子60人
■食害痕調査、施肥作業も 「日本さくら名所100選」に認定されている茨城県日立市宮田町のかみね公園で14日、地元の小学生が桜の保護方法をゲーム形式で学ぶ催しが開かれ、親子連れ約60人が参加した。園内の木の枝や幹が枯れていないかなどを観察し、施肥作業にも汗を流した。 日立青年会議所(荒蒔義嗣理事長)が「ひたちさくらクエスト-桜の守り人-」と題し主催。植栽後60年が過ぎ老齢化が進み、木の更新が進められていることを知ってもらおうと初めて企画した。 参加した小学4~6年の児童約30人は、保護者とともに約40本の木の中から、樹勢の衰えにつながる原因症状などを探索。木を腐らせるキノコや病原体により発生するコブ、害虫コスカシバなどの食害痕などがないか調べ、見つけた点数を競い合った。 最多得点だった小学4年の森内蓮さん(9)は夢中で取り組んだといい「日立の桜が弱っていると知って守りたいと思った。来年、満開になって元気な姿を見せてくれるといい」と話した。 参加者は木が栄養を吸収しやすいよう、枝先の下辺りに肥料もまいた。同会議所の水庭祐貴地域次世代委員長は「花が咲かない時期も桜の様子を気にかけるのが、桜のまちの住民ができることだと思います」と呼びかけた。 また、調査に先立ち、市担当者が市内の桜の歴史を紹介。約100年前、鉱山の煙害で荒廃した山の自然回復のため、約260万本の桜を植林したことが原点になったと説明した。
茨城新聞社