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シンガポールでも外国人採用に逆風-景気後退で自国民の雇用優先

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Bloomberg

(ブルームバーグ): 清潔で効率的、税率も低いシンガポールはこれまでずっと、アジアで働こうとする欧米人から選ばれてきた。

よく比較される香港が、街頭での抗議活動や中国が制定した香港国家安全維持法(国安法)で混乱していることもあり、シンガポールは世界中から優秀な人材が集めることができるはずだ。

だが過去最悪のリセッション(景気後退)に見舞われているシンガポールでは、事業拡大・採用計画の見直しを強いられる企業もある。失業が増える中で、自国民の雇用を外国人が奪っているとみる風潮が広がっているようだ。

新型コロナウイルス流行の直前にニュージーランドからシンガポールにやって来た女性は経験を積んだ看護師だが、11カ月間にわたる200回超の応募にもかかわらず、仕事が得られず、帰国せざるを得ない状況だという。

パートナーが取得したシンガポールの労働許可を危険にさらしたくないとして匿名を条件に語った女性によれば、各応募先からは採用枠が埋まっていると告げられたという。病院でボランティアとして働こうとしたが、それも拒まれたと打ち明けた。

シンガポール政府が打ち出した自国民の採用を促す措置を受け、外国人居住者にしわ寄せが来るのではとの懸念も強まっている。政府は今月、差別的な採用慣行の疑いがあるとして47社をウオッチリストに掲載。外国人の雇用を優先し、シンガポール人に公平な機会を与えていない可能性があるとされた銀行や資産運用会社、コンサルティング企業が対象だが、企業名は開示されていない。

5月には外国人雇用を規定する仕組みを厳格化。基準となる最低給与を月3900シンガポール・ドル(約30万円)に引き上げたほか、雇用主に対しまず国民向けに求人広告を出すよう義務付けるルールを強化した。政府は26日、この給与基準をさらに引き上げる計画だと発表した。

人材紹介を手掛けるヘイズのシンガポール担当地域ディレクター、グラント・トレンズ氏は急激なマイナス成長を理由に挙げ、「ビザ(査証)発給数が減っていても驚かない」と述べた上で、短期的に「外国人に対する需要は減る」との予想を示した。

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