【紀州のドン・ファン地裁判決】殺害の“凶器”覚せい剤はなぜホンモノと認定されなかった…証人尋問で2人の売人の証言が食い違った“裏事情“
覚せい剤の真贋のあやしさが無罪を引き寄せた?
「裁判所はそれらの理由から【早貴被告がAらから受け取ったものが覚醒剤であった可能性はあるものの、氷砂糖であった可能性も否定できず、間違いなく覚醒剤であったとは認定できない】との判断を下しました。 今回、早貴被告が無罪となったのは他にも要因は考えられますが、殺害の〝凶器〟とも言える覚醒剤の認定がなされなかったことが、大きいと思われます」(前出の司法担当記者) 公判中に28人もの証人尋問を実施し、早貴被告に迫った検察。しかし、その間に積み重ねたのは“状況証拠”だけ。それでは有罪判決にたどり着けないことが本判決で示された。 「無罪」が言い渡された瞬間、傍聴人からは驚きの声もあがったという今回の判決。その要因に覚せい剤自体の真贋が疑わしいというまさかの展開は、今後の裁判にも多大な影響を与えると思われる。
弁護士JP編集部