熊本県、中国大手アリババと連携へ 観光、販路拡大で調整
熊本県が中国の電子商取引最大手アリババグループと1月にも連携協定を結ぶ方向で調整を進めていることが31日、分かった。新型コロナウイルス収束後をにらんだ中国人観光客の誘致や県産品の販路拡大などが協力テーマに上がっており、実現すれば巨大な中国市場に進出する足掛かりとなりそうだ。 県は、新型コロナ収束後の訪日客取り込みで他県に先行する戦略を描いている。中国のインターネット通販などで圧倒的な数の消費者から支持されているアリババグループの協力を得て、熊本を目的地とした旅行商品の販売や県内観光地のPRに取り組む考えだ。連携をてこに、県産品やくまモン関連商品の輸出拡大も目指す。 アリババグループは1999年設立。電子商取引を中心に急成長し、近年は株価の時価総額で世界トップ10に入っている。中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日に合わせたインターネットセールで2020年は過去最高の7兆9千億円を売り上げた。電子決済サービス「アリペイ」や旅行サービスプラットフォーム「フリギー」も、同グループが手掛けている。
20年11月には県とアリババグループ、JR九州が協力して阿蘇の観光地の中継映像をインターネットで配信して旅行を疑似体験してもらうイベントを企画。中継開始後1分間の視聴者が6万人を超えるなど好評を博した。(野方信助)