懐かしのトヨペット・コロナが令和に蘇った!!! 学生たちが100%手がけた力作に迫る
2025年1月10日から開催された「東京オートサロン2025」(千葉県・幕張メッセ)では、学生たちによるさまざまな力作が展示されていた。トヨタ東京自動車大学校の学生が手がけた、「光冠」が面白かった! 【写真を見る】復活した3代目コロナの全貌(10枚)
学生たちがフルレストア
団塊世代に懐かしいシックスティーズのトヨペット「コロナ」を、いまの20代がモディファイするとどうなるか。 東京・八王子にあるトヨタ東京自動車大学校が出展した光冠は、1968年型のコロナがベース。古い車両を学生たちがフルレストアし、さらにドレスアップまでを手がけている。 ブースにいた、同校の先生は、お見かけしたところ、このRT40型コロナの現役時代を覚えている世代か。でも、「100%、学生たちがやりたいようにやってもらいました」と、鷹揚に頷いていた。 「基本はフルレストアでした。やっていておもしろいのは、昔のクルマの構造がわかることです。このRT40の場合、(現在は溶接とか接着の個所が)ネジ留めになっているんです」 この光冠(コロナのことでしょう)プロジェクトを担当した学生のひとりは、このように説明してくれた。そういえば、トヨタ自動車の技術者は常に「昔のプロダクトを知ることは大事」と、話しているなぁ、と、思い出した。 完成した車両は、基本的デザインを守り、自分でも(ショップと共に)行える範囲のモディファイがほどこされているのが特徴だ。 特に目をひいたのは、キラキラとフレークが入ったブルーグリーンの塗装。多層コートのため、たとえば光線が上からあたると、車体のショルダー部分の彩度が上がって、コロナの箱型ボディの印象が際立つ、といった具合。ここは、担当者たちの自慢でもあるようだ。 「大変だったのは、塗装の工程でした。ボディを左右にわけて、別チームが塗装を担当したんです。そのため、とりあえず仕上げてみると、色が違う。そこで塗り方とか塗りの回数とか、今一度話し合ってやり直しました」 加えて、ドレスアップの部分では、サスペンションシステムを変えて車高を少し落とし、かつ横浜ゴムの協力でタイヤまわりも“今っぽい”ものが装着されている。 深めのディッシュタイプのクロームメッキされたホイールは、一見ややマッチングがいまいちと思ったけれど、制作者のイメージには合っているようだ。と、見慣れてくると、そう感じられた。 今の生産車にはない、全長4m、全幅1.55mのコンパクトなサイズ(当時は十分大きいと感じられた)の箱型ボディがもつ、独自のデザイン性。光冠の仕上げのよさが、魅力をしっかり感じさせてくれていた。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)