すべて1勝馬。「荒れる」要素が増した京成杯で穴党記者が見極めた4頭
今春の3歳クラシックに向けて、注目レースのひとつとなるGIII京成杯(中山・芝2000m)が1月17日に行なわれる。 【写真】日経新春杯、条件変更はハマる馬は? 過去10年の1番人気の成績を見てみると、2勝、2着3回、3着1回、着外4回。取りこぼしも多く、絶対視はできない。おかげで、3連単の配当はすべて万馬券。5万円を超える好配当もしばしば生まれている。 そして、今年も波乱ムードにある。日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。 「出走全馬が1勝馬で、重賞出走経験のある馬がプラチナトレジャー(牡3歳)1頭だけ。この世代の重要なGI戦が年末にあったばかりで、今年もメンバーは小粒です。クラシックを見据える馬たちによるGIII戦ですが、実際は1勝クラスの特別レースと言っても、乱暴な表現ではないように思います」 そうなると、メンバー比較が難しいところ。いったい、どういった馬を狙えばいいのだろうか。松田記者はこんな見解を示す。 「先週の3日間開催を見る限り、芝コースは3コーナーあたりからゴール付近まで、早くも最内の馬場が荒れ始めています。レースの傾向も内をいく先行馬の粘り込みは、ほとんど見られません。発展途上の3歳馬の脚力を考えれば、後方一気の追い込みは厳しいかもしれませんが、好位から中団あたりで立ち回ることができる、センスあふれる馬を狙いたいところです」 そこで、松田記者が名前を挙げたのは、ヴァイスメテオール(牡3歳)だ。 「新馬戦(10月18日)は、やや重の東京・芝1800mで1着。勝ち時計は1分52秒4と強調できるものではありませんが、道中2番手を追走し、3、4コーナーから直線にかけては、馬場の荒れていない外目をスムーズに進出していきました。
そして残り400m手前で、鞍上の丸山元気騎手が右後方を振り向いて、1番人気シテフローラルの手応えを確認。そこから追い出しを始めたように、余裕たっぷりのレースぶりでした。序盤の流れが緩かったとはいえ、ラスト2ハロンは11秒2-11秒2という好ラップをマーク。まだ緩さを残した状態でも、しっかり動けていた点には好感が持てます。 母シャトーブランシュは現役時代、強烈な末脚を繰り出してGIIIマーメイドS(阪神・芝2000m)を快勝していますが、メンバーや展開に応じて好位で競馬ができる馬でした。ヴァイスメテオールはそんな母の競馬のうまさを受け継いでいる印象があります。 荒れた馬場、重賞でも手薄なメンバー構成なら、緩かった新馬戦のペースから激変することもないでしょうから、そつないレース運びで上位に食い込んでくるはずです」 松田記者はもう1頭、重賞出走歴が唯一あるプラチナトレジャーにも注目する。 「前走のGIII東京スポーツ杯2歳S(4着。11月23日/東京・芝1800m)では、のちにGIホープフルS(中山・芝2000m)を制するダノンザキッドに切れ負けしましたが、自身もメンバー2位タイの上がりをマーク。最後の末脚はしっかりしています。 同馬を管理する国枝栄調教師も、『馬場が悪いのは平気。難しい馬ではないので、中山コース、コーナー4つの競馬でも大丈夫』と自信の弁。新馬戦(4着。7月26日/札幌・芝1800m)では口向きの悪さを見せていましたが、レースごとに改善傾向にあり、メンバーが楽になるここでは馬券圏内は確実でしょう」 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、今回と同じ距離の新馬戦(12月20日/阪神・芝2000m)を完勝したタイソウ(牡3歳)を推奨する。 「新馬戦では2番手で流れに乗ると、直線は肩ムチ一発で一気にギアを上げました。その後はノーステッキのまま、加速ラップを刻み続けて3馬身差の快勝。勝ち時計は2分5秒7と平凡ですが、2着馬マイプレシャスが次戦で難なく勝ち上がっているように、負かした相手は強く、数字以上に評価できる一戦でした。