岸和田市長を訴えた女性「人生がめちゃくちゃ 悔しいだろう」 裁判傍聴のジャーナリストが明かす法廷内 「同意あった」と食い違う主張 和解調書は「対等な関係とはいえず」と指摘
女性との性的関係を巡り和解をしていた大阪府岸和田市の永野耕平市長。裁判を傍聴したジャーナリストに法廷の様子を聞きました。 【動画で見る】裁判傍聴のジャーナリストが明かす法廷内 「女性は人生がめちゃくちゃ 悔しいだろう」
市長の行動が次第にエスカレート 拒否してもホテルへ ジャーナリスト証言
(裁判を傍聴したジャーナリスト) 「(女性は)奴隷のように扱われていたとか、人生がめちゃくちゃにされたということを言っていて。すごく悔しいんだろうなと」 永野市長と女性が知り合ったのは5年前です。その後、約1年半にわたり市長から性行為を強要されたとして女性が訴えを起こしていました。 ジャーナリストは裁判での原告女性の様子について「(原告女性の)声が震えてか細い声だった」と話しました。一方、裁判で永野市長は声が大きく、堂々とした態度だったといいます。 「(市長から)強引なアプローチを受けて、社会的な上下関係があるので断れない状況だった。初めは手を握る、つないでくれとかいうことだったが、エスカレートして性行為の強要という形になった。何度も彼女は拒絶をしたが、ホテルに彼女が嫌だと言っても連れて行く」 原告女性の主張内容についてこのように説明します。 行為はそれだけに留まらず、市長から第三者との性行為を強いられたとも主張したということです。 代理人を通じて女性が出したメッセージには「泣きながら拒絶する私を、立場(地位)や権力を乱用し恐怖でおさえつけ、人格否定などの言葉の暴力で精神的に支配し逃げられないようにすることが同意なのでしょうか」と記されていました。
一方、市長は性行為については認めたものの、同意があったと主張していました。 (裁判を傍聴したジャーナリスト) 「(市長は)1年半にわたって交際していたつもりだったと。同意がないことはしてないと言っていて、第三者含めた性行為の強要は全否定。心外でそんな事実はないと(主張していた)」 ジャーナリストによると、両者の主張は真っ向から食い違っていたことになります。
「非難を免れることはできない」 和解調書も指摘
2年半の裁判の末、大阪地裁は男女として純粋に対等な関係があったとは言えず、両者の間には社会的な上下関係が自ずと形成されていたと指摘しました。市長が女性に対し500万円を支払うことなどを条件に11月、和解が成立しました。 裁判所の和解調書は「被告は公人であるとともに配偶者を有する身であることも考慮すると、原告と性的関係を持つことはよくよく自制すべきであったとの非難を免れることはできない」と指摘しました。
5日の会見で永野市長は「辞めるような悪いことをしたわけではない。しっかり頑張っていきたいと思う。さらなる説明責任を果たすことができないか、今考えている」とし、市長を続けていきたいとの思いを述べました。 市長は裁判内容について、一貫して「秘匿」の姿勢を続けていましたが5日、公開に向けて意欲を示しました。 女性の代理人によると、裁判記録は閲覧制限の対象となっていますが、第三者に情報を公開してはならないという口外禁止条項は無いということです。