ハイテク株動向を注視、米国株離れ誘発する水準に接近か-BofA
(ブルームバーグ): ハイテク株の比重が高い米ナスダック100指数は、S&P500種株価指数と比べると、米国株選好トレードの巻き戻しを誘発し得る水準に近づきつつあると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)は指摘した。
S&P500種と比べたナスダック100指数の相対価格は、2000年に付けた高値を上回って推移しており、「投資家が米ハイテク株とドルをロングにし続ける」要因になっていると、マイケル・ハートネット氏率いるBofAのチームは指摘。この水準を割り込めば、「米国例外主義」トレードの解消を促す強いカタリストになるだろうと、リポートに記した。
ハートネット氏は先週、来年にかけて米国外の株式に資金を投入し始めるのが良いとし、中国や欧州などの株式を推奨していた。S&P500種は年初から25%高。2023年も同規模の上昇率を記録した。
歴史が指針になるならば、S&P500種は25年にも2桁の上昇あるいは下落になるもようだと、BofAは分析。一段高になるための「決め手」は債券利回りの低下だと続けた。
しかし、債券はインフレ再燃と利下げペース減速を来年早期に織り込み、利回りの高止まりとリスク資産の頭打ちが見込まれると同チームは指摘。BofAの「投資指標」では25年のコモディティー上昇、利益増加、金利上昇も示唆されているという。
好調な米経済や米利下げ、人工知能(AI)ブームを追い風に、S&P500種は史上最高値を更新する展開が続いている。BofAの同リポートによれば、米国株式ファンドは今年、年率4480億ドル(約70兆円)の記録的な資金流入となる見通し。
一方、欧州株ファンドは580億ドルの資金流出となりそうだ。
原題:BofA Watches Tech for Signs Investors Are Souring on US Stocks(抜粋)
--取材協力:Michael Msika.
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Farah Elbahrawy