ルノー・日産・三菱自のトップが会見(全文3完)意見の相違はあった
ゴーン氏を止められなかったのは西川氏にも責任があるのでは?
日本経済新聞:すいません、日経の【オカダ 00:49:04】と申します。すいません、新しい船出にしたいという印象はすごく伝わるんですけれども、その前に1つはっきりさせておきたいことがあって、ゴーンさんの暴走を長年止められなかったのは、やはり西川さんに大きな責任があるんじゃないかということでして、そこでスナールさんとしては西川さんの一連のこの問題に関して、日産は法人として起訴もされてますし、その辺の経営責任をどう考えてらっしゃるのか、そこがはっきりしないと、やはりアライアンスを今後、推進していくっていうことにつながらないと思うんですけども。 スナール:あらためて申し上げますが、人に対する敬意、そして事実を尊重する、そして実際に判断が下されるまでは無罪であると信じるということ。私は判事ではありません。ですからその点については、私の責任でも仕事でもありませんから、言うべき立場ではありません。ただ、はるかに重要なのは将来に目を向けるということです。私はこのボードの議長として、アライアンスには力強い将来があると申し上げたいと思います。将来は力強いアライアンスになります。どれだけ力強いかというの、驚かれると思います。 私もこれまでも、ビジネスマンとして経験を積んできました。このアライアンスが実際に約束したとおりのことを実現できれば、もう世界には比類なき組織になります。さまざまな文化を、日本とフランスの文化を混ぜ合わせるなんて、なかったことです。世界はこのアライアンスの持つ力、結束力の力に驚くと思います。これが最も重要なポイントです。ほかは私のやるべきことでは、判断するべきところではありません。 日本経済新聞:ありがとうございます。もう1つ質問で、先ほどボロレさんが、環境変化がすさまじいという話をされていましたけれども、3人のCEOに伺いたいんですけれども、自動車業界にCASEという逆風が吹く中で、CASEですね、コネクテッドとか、あと全自動運転とかのCASE。CASEという逆風が吹く中で、どういう魅力ある車を3社でそれぞれつくっていくか、その辺、どのように協業して魅力ある車をつくっていくか、3人のCEOにお願いします。 ボロレ:では私のほうから。先週、ジュネーブモータショーが開催されまして、クリオ5を発表しました。まったく新しいクリオだったんです。これはコネクテッドカーで、しかも電動化されています。最も先進的な電動車両で、しかも自動運転の装備が一部装備されています。しかも、全ての人たちにアクセスできるというルノーブランドのDNAにのっとっているクリオです。これはアライアンスの取り組みの一環です。まったく新しいプラットフォームでアライアンスのプラットフォームを使っており、それだけの能力を生かしているんです。そして開発能力もアライアンスのプロジェクトの成果です。これが1つ、どれだけ約束をお客さまに対して実現しているかという証明の1つです。西川さん、どうぞ。 西川:今のご質問ですね、いわゆる今の状態から、これからどういう形で競争していくかと、その上でアライアンスという形で仕事をしてる部分がどうやって競合優位になるかというとこですけども、例えば新しいビジネスを展開するという場合に、ビジネスのプラットフォームというのを共通にするということが1つあります。当然、皆さんご想像のとおり、モビリティサービスの世界に入っていく場合、これ、従来のブランディングとまったく違いますから、そういう意味では、そういうビジネスのプラットフォームを共有、共通化するということは非常に効果があると。 いわゆる伝統的な車のハードのプラットフォーム、今、ボロレさんが言われましたけど、CMF-Bとわれわれが言ってますけども、それとCMF-C/Dという一番大きなセグメントがあるんですけども、そこはすでに共通のプラットフォームから車が生み出されてるということで、共通にプラットフォームを持つもの、これはハードウエアでもビジネスでもそうですけども、その中でそれぞれ、それを使って、得意な分野の車、あるいは得意なマーケットで、強いマーケットで成長していくということ、そういう選択肢を取れるというのは、それぞれの会社の強み、あるいはブランドの強みという、あるいはフットプリントの違いということがある中で、プラットフォームを共通化して仕事をするということができると。ここは、もちろんうまくやればですよ、うまくやれば非常に大きな強みになるというふうに思ってます。 益子:今のご質問が、まさにアライアンスが何を目指すのか、何をしてくかという質問そのものだと思うんですね。CASEは、これ、技術的な問題ですけど、ビジネスモデルとしてはシェアリングという問題もありますし、先進国ではミレニアム世代がすでに古い世代になってきてて、それより若い世代はもうまったく違った価値観を車に対しても持っています。そういう世の中の大きな変化に対して、アライアンスの力を持って対応していくのが最も近道ですし、効果的だろうというふうに思っておりますので、技術、ビジネスモデル、価値観の変化、この3つにアライアンスの力を結集して立ち向かっていきたいというふうに思ってます。 司会:ありがとうございます。もうあまり時間がなくなってきたんですが、じゃあ、真ん中の方。