汚職・パワハラ・一斉退職…三重大病院に日本麻酔科学会が緊急立ち入り
CBCテレビ
度重なる汚職事件やパワーハラスメントなどで麻酔科医が一斉に退職した三重大病院に、日本麻酔科学会が19日午後、緊急の立ち入り調査に入りました。 三重大病院の臨床麻酔部では、元教授ら3人が汚職事件などで相次いで逮捕されたほか、別の現職医師による部下へのパワーハラスメントも発覚しています。 およそ20人いた正規の麻酔科医は一斉退職で4人にまで減り、三重大病院では麻酔科医を育成するプログラムが停止に追い込まれています。この事態を受けて日本麻酔科学会は19日午後、三重大病院に立ち入りました。 「医師の一斉退職を招いた三重大学病院に、日本麻酔科学会がサイトビジットに入ります」 (越智記者) 日本麻酔科学会の「サイトビジット」は、麻酔科医の育成や医療の安全性を調査する目的で行うもので、研修医らから直接勤務状況の聞き取りを行うほか、退職した医師からもオンラインで聴取を行います。 さらに、三重大病院には別の問題も浮上しています。 日本麻酔科学会は安全性の観点などから、1人の麻酔科医が手術中の複数の患者に同時に麻酔を行う「並列麻酔」を原則禁止していますが、三重大病院ではここ3年間で「並列麻酔」を全身麻酔の手術のおよそ1割から2割で行っていたことを認めたのです。 「県内在住者が、手術終了直前に急変し、結局亡くなった」 (三重大病院 兼児敏浩副病院長) 2017年には「並列麻酔」を行った手術の最中に、三重県内在住の男性患者が死亡していて、病院側は、「並列麻酔」が事故の遠因となった可能性があることも認めています。 病院では、ことしに入ってからは並列麻酔を行っていないとしていますが、不足する麻酔科医の人材確保は依然として大きな課題となっています。