次世代の国民的キャラクター「ずんだもん」人気の秘密を生みの親・小田恭央さんに聞いてみた
一人称「ボク」の少し不憫な女の子。趣味はその辺をふらふらすること、自分を大きく見せること。語尾に「~のだ」をつけて喋る。 今、YouTubeやニコニコ動画に頻繁に登場し、街でも見かけるほど勢力拡大中なのが、ずんだ餅の妖精『ずんだもん』だ。
すべての始まりは2011年
東北地方を盛り上げるために生まれたキャラクター「東北ずん子」から派生し、キュートな見た目と類を見ない喜怒哀楽の感情表現で動画クリエイターの間で大流行。 2022年には「ネット流行語 100」にも選ばれ、ニコニコ賞も受賞。10月時点でチャンネル数1万、動画数は13万本を超えている。中には、わずか数日で20万再生を記録する動画も多数存在するほど。 ここ数年、怒涛の勢いで認知度を高めまくっている『ずんだもん』だが、一体なぜ「彼女」は人々を魅了し、こんなにも愛されているのか? 「単にカワイイだけでなく、デザインがシンプルで作画コストが低く2次創作がしやすい点だと思います。頭に枝豆をつけて髪の毛を3ブロックにすれば、どう転んでも『ずんだもん』になるので(笑)」 そう語るのは『ずんだもん』の生みの親、SSS 合同会社の小田恭央さん。 すべての始まりは2011年だった。東日本大震災の復興応援を掲げた「東北ずん子・ずんだもんプロジェクト(通称ずんずんプロジェクト)」から生まれたキャラクターだった。 「当初は、地方でくまモンなどのゆるキャラが人気だったので、これからは“地方の萌えキャラ ”が来るだろうと思って女の子キャラを準備していました。その直後に大震災があって、急遽震災復興に切り替えて「東北ずん子」が生まれたんです」 「私自身は大阪出身なんですが、高校生の頃に阪神大震災を経験しているので、東日本大震災のときに力になりたいと思ったんですよね」 当時、仕掛けようとしていた萌えキャラ「東北ずん子」は17歳の高校生。萌えキャラとしての見た目も設定も申し分ないものの、より幅広いジャンルで扱いやすいキャラを求め、その結果生まれたのが『ずんだもん』だった。 ちなみに『ずんだもん』は、東北ずん子が所持している「ずんだアローの弓」が変身して『ずんだもん』になるらしい。妖精をベースに、おちゃめでおバカキャラ。人間的な要素の少ないマスコットキャラは、こうして生まれたのである。