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韓国では日本製品不買継続でも「半沢直樹」リベンジ劇が大ウケ

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デイリー新潮

金融危機が起きた1997年以降、低成長時代を生きる若者に

 日韓関係を戦後最悪の状態までに突き進ませたと評されるのが、韓国による日本製品不買運動。しかし、歴とした日本のコンテンツであるドラマ「半沢直樹」を見ずに済ませるわけには行かないようだ。先進国である日本の成長過程に追随してきた韓国だからこそ、日本の金融事情を描いた「半沢直樹」のストーリーは共感を呼んでいる。中には、海賊版を利用してでもリアルタイムで視聴する熱心な(不届きな)視聴者も。表向きは反日を叫んではいても、韓国人にとって「半沢直樹」の復讐劇が痛快な理由を探った。 【半沢直樹】“美しすぎる女将”「井川遥」の大胆肌見せのドレス姿

 信念を曲げず、不条理な組織に対抗する乱世のヒーロー。そんな受け止められ方をする「半沢直樹2」が、9月8日から韓国で放送される。2013年に放送されたシーズン1は韓国でも大ヒット。シーズン2を独占放送するのは、日本のコンテンツ専門放送局「チャンネルW」。同チャンネルは8月3日からシーズン1を週2本ずつ放送、再放送の終わる9月8日から新シリーズが放送される予定だ。

 垂直型の上下関係、組織を最優先し、徹底した服従秩序で成り立つ企業文化の韓国で、ドラマの反響は熱い。半沢直樹は銀行に人生を懸け、プライドを持って働くバンカーではあるけれど、組織の壁はすこぶる高い。社内政治と派閥を中心に回る徹底的に腐敗した金融界は、半沢に対し残忍で非情だ。  韓国では1997年に金融危機が起きた。その後の低成長時代を生きる韓国の若者は、ままならぬ自分たちの境遇を半沢に重ねているのかもしれない。

日本製品不買から経済戦争の様相を呈しても…

 韓国社会では、そういった低成長期の貧困に喘ぐ若者を指す言葉がメディアに溢れている。  例えば、88万ウォン世代(1970年代後半から80年代半ばにかけて生まれた世代で、月収88万ウォン、つまり7万円ほどの非正規雇用も多い)、ヘル朝鮮世代(88万ウォン世代と同様に、閉塞感に包まれたヘル=地獄の世代)、金さじ・土さじに代表されるスプーン階級論(本人の努力に関係なく親の職業や経済力が人生を規定する)……。これらは、デフレ下(=禍)の日本における失われた20年世代とオーバーラップするものだろう。  また、韓国にも日本と同じように上司のパワハラがある。「甲質」と言って、上司は甲、部下は乙だ。会社という組織で「乙」が善良な心を持ち能力があっても、それだけでのし上がることができないという現実もまた、日本と韓国は似ている。  昨年6月に翻訳出版された「半沢直樹シリーズ」は、外国小説ベストセラーに。また今年9月の正式放送を控え、早くも「全編無料で閲覧」「リアルタイム生中継」などの検索ワードが登場し、少しでも早くシーズン2を見ようとする韓国ネット民の動きも見られる。  昨年、韓国で強まった日本製品不買運動は、日本政府がホワイトリストから韓国を排除したのを受けて始まり、今や経済戦争の様相を呈している。  1970年代、日本の名目GDPは韓国の2~3倍だった。1965年の日韓国交正常化後、韓国は日本の資金や技術、原材料を用いて経済発展を本格化させた。1990年代後半からは猛スピードで日本を追い上げた。  1980年のGDPは、韓国が650億ドル、日本が1兆1,050ドルと、日本は韓国の17倍だった。だが2005年は5.3倍、2018年には3.1倍にまで差が縮まった。購買力をベースに個人の生活を見るうえで有用な指標となる1人当りGDPは、2019年には日本が3万9,795ドル、韓国が3万7,542ドルだ。韓国と日本人の生活はさほど変わらないことが分かる。

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