あと5年で定年退職する予定ですが、老後資金として「70万円」ほどしかありません。定年時に貯蓄がない人はどのくらいいるのでしょうか?
現在、会社員として働いている人のなかには、これまであまり貯金しておらず、あと数年で定年を迎える人もいるでしょう。定年退職後の老後資金に不安を抱いており、今の貯金額で生活できるのか、定年時に貯蓄がない人はどのくらいいるかが、気になる人もいるかもしれません。 この記事では、60代の平均貯蓄額や、老後に必要となる生活費の目安をまとめました。老後資金を増やす方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
60代の平均貯蓄額はどのくらい?
60代の貯蓄額について、金融広報中央委員会 知るぽるとが実施した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」および「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」には、表1の数値が掲載されていました。 表1
※筆者作成 仮に老後資金として70万円ほどしかない場合、単身世帯、二人以上世帯のどちらであっても平均値・中央値ともに下回る結果であることが分かります。そのため、老後に必要な貯蓄としては、少ない額であると考えられるでしょう。 また、同調査では金融資産の有無についても割合が掲載されています。60代で金融資産を保有していない人の割合は単身世帯で33.3%、二人以上世帯で21.0%です。このことから、貯蓄がない人の方が少ないことも覚えておくとよいでしょう。
老後に必要となる生活費の目安
老後に必要となる1ヶ月の生活費の目安について、総務省統計局「家計調査報告 [家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」では、以下の消費支出額が掲載されています。 ●65歳以上の単身無職世帯:14万5430円 ●65歳以上の夫婦のみの無職世帯:25万959円 仮に、70万円の貯蓄のみで生活すると仮定した場合、単身世帯だと約5ヶ月、夫婦のみの世帯だと約3ヶ月で資金が尽きてしまう可能性が高いです。実際には、年金を受け取れると考えられますが、70万円の資金では心もとないと考えられるでしょう。