初代の完成度がめちゃくちゃ高い! 昭和にデビューした秀逸なデザインの車3選
昭和デザインの凄さがわかる初代! 秀逸な外観だったクルマを振り返る
クルマを選ぶ際に、多くの人は外観デザインに惹かれて購入に至るのではないでしょうか。それほどクルマのデザインは重要なのです。 【画像】50年以上昔のデザインってスゴい! すでに完成形だった初代を見る(19枚)
また、クルマのデザインは時代によって変化しており、その時の流行であったり、世相やニーズがデザインに反映されていたりします。 なかでも何代にもわたって販売されたクルマでは、フルモデルチェンジで大きく変わるケースもあり、デザインの変遷がよくわかります。 そこで、1960年代から1970年代に誕生し、初代の時点でデザインの完成度が高かったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「シルビア」
日産「シルビア」というと「S13型」から「S15型」に代表されるFRスポーツカーというイメージが先行しますが、初代は高級なスペシャルティカーとして誕生しました。 初代シルビアは1964年の東京モーターショーにダットサン「クーペ1500」という名で展示され、その後1965年に市販化されました。 車名はギリシャ神話の美しい女神である「シルビア」に由来し、その名にふさわしい流麗なスタイリングとなっていました。 シャシは「フェアレディZ」の前身であるオープン2シータースポーツカー「フェアレディ(SP311型)」をベースに、スタイリッシュな2ドアクーペボディを架装。エンジンもフェアレディから流用され、最高出力90馬力(グロス、以下同様)を発揮するSUツインキャブの1.6リッター直列4気筒OHV「R型」が搭載されました。 外観は開口部以外に継ぎ目をつくらないことにこだわり、フロントフェンダーなどもボディと一体となった美しいノッチバッククーペのフォルムを実現。逆スラントノーズのフロントフェイスも斬新でした。 室内は2シーターでレザーシートに5連メーター、ウッドステアリングなどが採用され、当時としては浮世離れした高級スポーツカーをイメージしていました。 また、フロントディスクブレーキや、トランスミッションにシンクロメッシュを採用するなど、最新技術も取り入れられていました。 初代シルビアは生産工程の多くがハンドメイドだったことから大量生産できず、1968年6月までの約3年間の生産台数はわずか554台でした。 そもそも価格も高額で、高級セダンの「セドリック」を上回る120万円に設定され、同時期に発売された初代「サニー」の3倍ほどと、庶民には夢すらも超越した存在だったといえるでしょう。