寺社に鎮座 奥深い『こま犬』の世界 浪速型・江戸型・出雲型の「3大文化圏」 1000対以上見て回った“研究家”が案内
特集は神社に鎮座する「こま犬」です。素通りしてしまう人が多いかもしれませんが、実は笑っていたり、今にも飛びかかりそうなものまで、さまざまな表情や形があります。これまでに「1000対以上」を見てきたという男性に、奥が深い「こま犬」の世界を案内してもらいました。
先日、長野県松本市で「あるもの」をめぐるツアーが行われました。それは…。 自称“こま犬研究家”高松伸幸さん: 「きょうの一対目の子たちは、この富士浅間神社のこま犬になります」 見て回ったのは神社の、こま犬。 安曇野市在住の建築士で、自称「こま犬研究家」の高松信幸さんが案内人です。
そもそも、こま犬の起源は犬ではなく、古代オリエントなどで魔除けとして置かれたライオンの像です。それが日本に伝わると、寺や神社に置かれるようになりました。 基本的に向かって右側の口を開けているのが阿形の「獅子」、左側の閉じているのが吽形の「こま犬」ですが、左右一対で「こま犬」と呼ぶのが一般的です。
そのこま犬、実は地域によってタイプがあります。四柱神社のこま犬は研究者によって「松本型」に分類されています。 自称“こま犬研究家”高松伸幸さん: 「尾っぽがずっと流れて側面の足座に絡みついている、これが江戸獅子とかによく見かける象徴。その流れをくむのが松本型。たてがみのワイドさがはっきりわかると思う」
こま犬には、伝統的なデザインが多い「浪速型」、自由なデザインが多い「江戸型」、来待石という砂岩からつくられた「出雲型」の「3大文化圏」があります。 「松本型」は江戸型の流れをくんでいますが、たてがみが大きいのが特徴。県内で最も多くみられるタイプです。
自称“こま犬研究家”高松伸幸さん: 「こま犬はディープな、マニアックなファンが多い、かなり中毒症状が強い」 高松さんはこの12年ほどで各地のこま犬1000対以上を見て回った、かなりのマニア。そのきっかけとなったのが…。 自称“こま犬研究家”高松伸幸さん: 「こちらです。非常に素朴なタイプな子で」