「しんじょう君」のおねだり奏功、高知・須崎市にピアノ7台寄付…「寄付してくれてみなさんありがとー☆」
高知県の須崎市民に長年親しまれてきた公民館のピアノが故障してサークル活動などに影響を及ぼしていたところ、市の人気キャラクター「しんじょう君」のX(旧ツイッター)の呼びかけで全国から協力者が相次ぎ、7台も寄贈される結果となった。26日夜には市立交流ひろばすさき(南古市町)でお披露目会があり、ピアノの美しい音色が響き渡った。(小野温久) 【写真】お化け屋敷で勤務…「おどかしの心理学」と題する本を読むしんじょう君
故障したピアノは50年以上前に市民からの寄贈で旧市立中央公民館に設置され、合唱団の練習などに使われてきた。現在は須崎公民館が入る交流ひろば2階会議室に移されたが、数年前から経年劣化で鍵盤(けんばん)が戻らなくなるなど音が出にくくなり、同市の歌声サークル「すさきドリーム」の山下千代野代表(66)が昨年8月、市政懇談会で悩みを訴えた。
市民の困り事を耳にしたしんじょう君は昨年10月、Xに「須崎公民館のピアノがこわれそうなので、誰か寄付してくれる人いませんかー? しんじょう君がとりにいきます☆」と投稿した。フォロワー12万人超の発信力は絶大で、東京や大阪、神奈川、長野などから11人が寄付を申し出た。
このうちアップライトピアノ5台、電子ピアノ2台を受け取り、公民館のほか、高校や保育園などにも設置された。運搬費は計約100万円かかったが、市の担当者は「新たに購入するより安い。ありがたい」と感謝する。
お披露目会では、同サークルのメンバー11人が、寄付を受けたピアノの伴奏で市のPR曲「すさきがすきさ」を清らかに歌い、喜びを表現した。
功労者のしんじょう君も駆け付け、「ピアノを寄付してくれてみなさんありがとー☆大切に使うからね☆ね☆」とコメント。山下代表は「すごくいい状態のピアノが届いてうれしい。フル活用して練習に励みます」と笑顔だった。