第一印象は1秒で決まる! 専門家が明かす「好印象を与える会話」に必要なテクニックとは
遠慮しすぎると挙動不審に見えることも!
話しかけるときのタイミングも大切です。 ポイントは、遠慮しすぎないことです。タイミングをはかりすぎて躊躇していると、傍目には挙動不審な人に映ります。ためらわずにスッと明るく、「あ、どうも」と会話に入るのがベストです。 なお、会が終わったあとは、なんらかのフォローをしましょう。 ビジネスの場合、初対面のときに名刺を交換することがあります。 その後、そのままにしておく人もいますが、一度「今日はありがとうございました。勉強になりました」とメールしておくと、次に連絡したいときにつながりやすくなります。 何年かたったあとでも「あのときの〇〇でご挨拶させていただいた◎◎です……」といった感じで連絡をとることができます。
最初に声をかけるときは 「あいまい」がいい
もう少し仲良くなりたいと思う相手が異性だった場合、ともすると自分をよく見せようと無理をしてしまいがちな人もいます。しかし、最初の会話はあくまでさりげなく、自然にします。 たとえば、「以前、どこかでお見かけしたでしょうか」といった、少し漠然とした質問をしてみます。 A 以前、どこかでお見かけしたでしょうか。○○大学にいらっしゃいませんでしたか? B ええ、通っていました。 A 今日は、どんなことでいらしたのですか。 B いやいや、ちょっと様子を見に来てて。 A あ、こちらも同じです。ちょっと様子を見に。 何を聞いているのかわからない質問ですが、あいまいなやりとりからはじめて、お互いに同調していくような流れでつながることを目指しましょう。 初めの一言が、「どちらからいらしたんですか!?」という前のめりの口調だと、少しきつい感じがします。その場の空気感を乱さないよう、ややふんわりとした雰囲気がいいと思います。 ただし、最初の会話やアイコンタクトの結果、相手が自分に対してオープンではないなと感じるならば、それ以上無理をしないのが賢明でしょう。
相手が楽しそうに聞いてくれるからと勘違いしてはいけない
ところで男性の場合、相手の女性が自分にオープンかそうでないかを判断するのは、非常に難しいです。 なぜなら男性は、コミュニケーション力が非常に高くて誰とでもオープンにコミュニケーションができる女性と、自分に対してだけある程度オープンに話してくれている女性の区別がつけにくい傾向があるからです。誰に対してもオープンに話す女性に対して、「自分のことを特別に気に入っているのだ」と思うと距離感を間違えることもありますので、気をつけてください。
〈著者プロフィール〉齋藤 孝(さいとう・たかし)
1960年静岡生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書に『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い」人』(詩想社)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『話がうまい人の頭の中』(リベラル新書)等多数。著者累計発行部数は、1000万部を超える。テレビ出演多数。
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