ユネスコ無形文化遺産登録2年「綾子舞」のいま 学習の子供増も 少子化で継承にハードル
■「綾子舞は宝」
伝承学習では、年1回、市の関係者や保護者、児童生徒を招いて綾子舞の練習成果を披露する「発表会」が行われる。今年は11月1日に行われた。
子供たちを指導した下野綾子舞保存会の座頭、関一重さん(74)は発表会の演技を見ながら、「綾子舞を舞台で演じてくれる子供がいることが何より大きい。伝承学習の意義は大きいと思う」と話す。
高原田綾子舞保存会の座頭、猪俣義行さん(66)も「大きくなってからではなかなか覚えることができない。小さいうちにやることに意義がある」。遺産登録以降、「綾子舞をやってもらいたいとの要請が市内はもとより全国から来ている」といい、関心の高まりを感じている。
発表会を終えた新道小3年の青木里月(りつき)さん(9)は「ちょっと失敗したけど楽しかった。綾子舞は宝物。もっとうまくなるために続けていきたい」と笑顔を見せた。
高校に行っても続けたい子供には、市が伝承者養成講座を用意。伝承へ地元の努力が続くが、大きな課題が立ちはだかる。「伝承学習を受け、養成講座まで続けても、進学や就職で地元を離れる子が多い」(猪俣さん)のが悩みの種だ。(本田賢一)