【『No No Girls』レポート#8】ちゃんみな「自由を取るんだったら、死ぬほどがんばってズバ抜けなければ認めてもらえない」一つひとつの言葉が胸を打つ運命の審査発表
「ステージで自信がなさそうな人は見たくない」
次はAIKO、JEWEL、HIBIKIのBチーム。結果発表はAIKOから。ちゃんみなは、AIKOは人がすごくいいけれどもっとがめつくなければならない部分もあるという。 「意地悪になれ、nasty(卑劣)になれっていうことじゃなくて。人に配慮しつつ、自分は自分で持っておかなきゃいけない部分があるんですよ。それがもうちょっとかなと思った」 また、ピッチ(音程)がとれていないためにせっかく書いた歌詞が何を言っているのか伝わってこなかった。それを直すには自分たちが持てる限られた時間の中では難しいだろう。ちゃんみなはそう判断したようだ。 AIKOはここまでとなった。彼女は感情があふれ出てこないようにグッと唇を噛みしめながら話を聞く。 だが、ちゃんみなはこうも評価した。「これだけは言いたいのは、見せ方・パフォーマンス……この中でダントツでいいです。AIKOはそれくらいめちゃくちゃいいから。(…)もうちょっと時間かけてちゃんとうまくなって、帰ってこよう」と。AIKOはまっすぐにちゃんみなを見つめながら、ゆっくり静かに礼を述べた。 続いてJEWEL。彼女は自分のキャラクターを心配していたそうだが、ちゃんみなはもうそこに悩む必要はないという。4次審査のパフォーマンスを見て、彼女はまだまだ伸びると確信し、4次審査通過とした。 HIBIKIはどうだろうか。「持ってる声、ポテンシャル、パフォーマンス中の声のあるべき場所はダントツ」とちゃんみなは評価する。しかし、それをHIBIKI自身が自覚していないためにパフォーマンス中も自信がなさそうだった、とも指摘した。 「HIBIKIはコントロールが大事」だという。声量のコントロールができない人は、感情のコントロールもできないと持論を述べる。HIBIKIの場合、自信のなさが声量に表れているのだとか。とはいえ声量だけであれば1、2カ月がんばれば直る。問題はそれだけではない。 「その顔。その自信のなさそうな顔って、時間がかかるんですよ」 少々うつむき気味に暗い顔で話を聞くHIBIKI。ちゃんみなは「だから今回はここまで」と結果を言い渡しつつも、それは絶対直すことができると断言する。その上でこうも言う。 「ステージで自信がなさそうな人は見たくない。だから、自分は本当に素晴らしい声を持っているんだっていうのだけは忘れないでほしい。死ぬまで忘れないでほしい。せっかくいい宝持ってるんだから、それをうまく使いこなせるように祈ってます」 自信を失わせまいとする、ちゃんみなの心遣いを感じるコメントだった。HIBIKIは心のダムが決壊したかのようにしゃくりあげ、ちゃんみなの言葉を受け止めていた。