子供が描いた「テレワーク中のママの絵」が切なすぎて…母は罪悪感に苛まれた
新型コロナウイルスにより、人類は新たなライフスタイルの形を模索しなければならなくなった。 人との接触を避けるため、昨年から世界的に自宅で仕事をこなすテレワークが推奨され始めたが、今まで日々オフィスで仕事をこなしてきた側にとって、仕事と私生活のバランスを取るのが難しくなっているという意見もある。特に小さな子供がいる家庭では、仕事、家事、育児の最適なバランスを見つけ、それらを実行するのは大変だろう。 アメリカ在住のプリヤ・アミンもテレワークの大変さを身にしみた一人で、彼女は先日、6歳の子供が描いた絵にショックを受けた時のエピソードを「Linkedin」に投稿した。 自宅の仕事部屋で仕事に追われていたある晩、彼女は子供から一枚の紙を手渡された。そこには絵のようなものが描かれてあり、母である彼女はちらりと目を向け、「あら、上手に書けたね!」と褒めた。 だが、目をこらすと、そこには「ママ、お仕事終わった?」と母親に問いかける幼子に対し、パソコンから一瞬だけ視線を外して「No」と突き放すような言い方をしている彼女の姿があった。 アミンは子供が描いた絵のディテールに気づき、ふと時計に目をやった。時刻は午後6時5分。今までの日常ならばオフィスでの仕事を終えて家路に着き、子供たちから1日の出来事を聞きながら夕食の準備をしていた時間帯だったかもしれない。だが新たな日常となった今、彼女は1日のノルマを達成するため、まだPCに向かっていた。 彼女は、「認めたくはないけれど、これが私の日常」と綴っている。 自分の仕事をこなす間も会社の同僚、上司からひっきりなしに届くメールに返信。同時に家事をこなし、自分と同じくリモート環境で勉学に励む子供たちの様子を確認し、わからないところがあれば教える。 自分のコピーがいれば事足りると思えてしまう現実に嫌気がさしてしまうことだってあるだろう。アメリカでは、昨年の9月時点でテレワークによるストレスや不安を抱えてしまう時間が週単位で増加し続け、男性と比べて女性の方が時間のやり繰りに苦労し、仕事の生産性に影響を与えてしまっているというデータもある。 また、子を持つ親としての役割と仕事を両立させるため、4人に1人が転職を検討しているという統計も出ている。テレワークによりオンオフの境目がなくなってしまい、うつ病を発症する人の数も増えている。 プリヤは、子供から手渡された絵を見て、十分な仕事ができていないことへの罪の意識、感情のコントロールが上手にできていないことへの罪の意識、子供との大切な時間を過ごせていないことへの罪の意識に苛まれた。だが彼女は、「同じような経験をしているのは私だけではない」とも綴っている。 コロナ禍で日常が一変し、膨大なストレスを抱えてしまっている人の数は多い。あらゆる業種が、新しい日常の形を模索し続けている。事態の収束もさることながら、新たな生き方への対応も、これから克服すべき課題の一つだろう。
COURRiER Japon