金メダルに「こだわりはある」 シルバーコレクター、スキー複合の渡部暁斗
ノルディックスキー複合で2014年ソチ、18年平昌の両冬季五輪で銀メダルに輝いた渡部暁斗(北野建設)は、11月27日にワールドカップ(W杯)開幕戦を迎える。来年2~3月にはドイツのオーベルストドルフで世界選手権が開催される予定。金メダルを狙う22年北京冬季五輪への足がかりをつかめるか。オンライン取材で意気込みを聞いた。(聞き手、共同通信=益吉数正) ―新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明なシーズンになる。 意外と何とも思っていない自分がいる。そんなに構えてもいない。ジャンプや距離で試したいことが今たくさんある。久々にレースで緊張感を味わいたい気持ちもあるし、試合がないならないで、トレーニングがたくさんできて、試したいことをいっぱい試す時間もある。どっちに転がってもポジティブでいられそうな感じはある。楽しみたい。たくさんのヒントや変化を感じて、それを形にしていきたい。 ―夏はどんなアプローチで練習してきたか。
(体重を増やして臨んだ)昨季は体がばらばらに動いていて、全身が連動して力を発揮していなかった。今季はウエートトレーニングの回数を減らし、食事管理をして少しずつ体重を落としながら練習している。自然な動きを取り戻そうと、ピラティスを春からやり始めて、体は今までで一番いいかもしれない。 ―コロナ禍で練習環境も制約があった。 ずっと長野県内にとどまってトレーニングしていた。2日間しか県外に出ていない。こんなことは人生で初めて。海外に行って合宿したかったなという気持ちはある。白馬のジャンプ台しか飛んでないから、もう少しバリエーション豊富にトレーニングしたかったなとは思うけど、問題ない。 ―今季は夏に試合に出ることなくW杯に向かう。試合勘への不安は。 (16年に)自転車で転んで手首を折った時も夏の国際大会に1回も出ないで冬を迎えたし、意図的に海外に行かなかったシーズンもあった。そういう経験もあるので、そんなに不安ではない。むしろけがをしてないだけマシかな。