「日本最大の規制は…」立憲・枝野氏が菅首相に投げかけた課題とは?自民・野田氏も言及
衆議院で10月28日、本格的な論戦が始まった。代表質問のトップバッターは立憲民主党の枝野幸男代表で、さまざまなテーマについて、就任後初めての国会となる菅義偉首相に質問を投げかけた。「規制改革」「前例主義の打破」などを掲げる菅義偉首相に対し、枝野幸男氏が「最大の規制」と指摘し、改革を求めたのが、「選択的夫婦別姓」をめぐる議論だった。この議論については、その後質問に立った自民党・野田聖子幹事長代行も触れた。菅首相らの回答とは。【BuzzFeed Japan / 籏智 広太】
現在の民法では、結婚に際して、男女いずれかが,氏を改めないといけない。現状では男性の氏を選ぶケースがほとんどであり、女性の不利益が大きいことを指摘する声は多くあがっている。 枝野氏はこれを「最大の規制」と指摘。初当選以来、7回の法案提出など取り組みを続けてきたとして、以下のように質問を投げかけた。 「日本で、もっとも強く大きな障壁となっている規制は、結婚するときに、一方が必ず氏を変えなければならないという規制です。規制改革というのであれば、この最大の規制をなくすべき」 「同性を望む人には何の影響もなく、また、若干の事務経費以外、一銭もかかりません。野党の法案は継続審議になっています。賛同いただければ、この国会でも実現することができます。総理と橋本国務大臣の決意をお尋ねします」 選択的夫婦別姓をめぐっては、1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を答申し、法改正に関する機運が高まった。しかし、保守層の反対は根強く、法改正には至っていない。 さらに、最高裁は2015年に、夫婦同姓を義務付けた民法の規定は「合憲」だとする判決を下した。ただし、最高裁は「選択的夫婦別姓」は、国会で話し合われるべき問題だとして議論を促している。
自民党も作業チームを設置したが…
「選択的夫婦別姓」の必要性を訴える声は年々高まっている。 内閣府の2017年12月の「家族法制に関する世論調査」では、「夫婦がそれぞれ婚姻前の姓を名乗れるように法律を改めてもかまわない」(選択的夫婦別姓に賛成)と答えた人が42.5%と過去最高になった。反対は29.3%だった。 こうした実態を受け、全国各地で訴訟や地方議会への陳情などが続いている。夫婦別姓に取り組む議員は与野党問わず超党派で存在し、野党側は法案を提出している。 与党側での動きもある。自民党の野田聖子幹事長代行は10月21日、フジテレビの番組内で、選択的夫婦別姓について、「女性に対する後押しの象徴になっている」として賛同する姿勢を示し、党内に作業チームを設置する方針を明らかにした。 ただ、党内での反発は必至だ。保守派は「伝統的な家族観」の視点から選択的夫婦別姓の導入に反対をしている。安倍晋三前首相に近い、日本最大の保守団体「日本会議」も強く反対しており、安倍政権下で議論は深まらなかった。 また、今年1月の通常国会では、国民民主党の玉木雄一郎代表が選択的夫婦別姓に関して質問をしていた際、与党席から「それなら結婚しなくていい」とヤジが飛んだこともあった。