ナミュール乗り替わり発表後にオッズ〝急騰〟 右肩下がりの評価を覆した藤岡康太
[GⅠマイルチャンピオンシップ=2023年11月19日(日曜)3歳上、京都競馬場・芝外1600メートル] 【写真】ナミュールをねぎらう藤岡康太 マイルCSはムーアから乗り替わりの藤岡康が騎乗したナミュールが優勝。急きょの代打で14年ぶりのGⅠタイトルを手にした鞍上の見事な騎乗だった。 ビッグレースにおけるレース当日の乗り替わりは先日の天皇賞・秋のドウデュース(武豊→戸崎圭)など時々起こるアクシデントだが、そのドウデュースも7着に敗れたように簡単に結果を出せるものではなさそう。GⅠにおいて乗り替わり(枠順確定後の騎手変更)での勝利は2013年桜花賞のアユサン(丸山→Cデムーロ)以来。とはいえ、桜花賞=アユサンのケースは前日に乗り替わりが決まったので、レース当日での文字通り〝急きょ〟の乗り替わりでGⅠを勝ったケースは今回が初めてとなる(1984年のグレード制導入後)。 ちなみにおもしろいのは単オッズの推移。金曜(17日)夕方の前々日発売スタート時には3倍台も記録していたが、徐々に上昇してその後は9倍台をキープ。ところが京都2Rでムーアが落馬負傷し、3、4Rが検査のため乗り替わりとなった時間帯から10倍台に突入。ナミュールの乗り替わりが確定し、広く知れ渡るようになった午後には11~12倍台となり、一気に馬券購入額が増える15時以降はさらに右肩下がり。13→14→15→16倍台とどんどんオッズは上がり、最終的には17・3倍にまで人気は落ち込んだ。 ムーアがそのまま騎乗していれば一体、何倍のオッズだったのか? それを知る由はないが、人馬を信じて勝ったファンにとってはもちろん、乗り替わり前に買ったファン、乗り替わりを知らずに買ったファンにとっても想定外のおいしい配当にありつけることに。そして、そんな中でもしっかりと結果を出した藤岡康は溜飲を下げるような勝利だっただろう。
東スポ競馬編集部