午前の日経平均は小幅続伸、円安や中国回復期待が支え 伸び悩みも
Noriyuki Hirata [東京 10日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比36円92銭高の3万9197円42銭と小幅に続伸した。為替が円安方向に振れたことに加え、中国経済回復への思惑が投資家心理を支えた。一方、目先のレンジ上限と目される3万9500円に接近する場面では伸び悩んだ。 日経平均は214円高で寄り付いた後、一時304円高の3万9465円14銭に上値を伸ばした。米国市場では株安だったが、ドル/円が151円台へと円安に振れたことが国内の輸出関連株の追い風になった。中国政府による経済支援策への期待を背景に、中国関連株が買われたほか、中国リスクへの懸念が上値を抑えてきた半導体関連株も、過度な警戒感が後退して総じて堅調だった。中国政府が、経済成長を支えるためにより積極的な財政政策と併せて「適度に緩和的な」金融政策を導入すると伝わったことが手掛かりになった。 一方、目先のレンジ上限とされる3万9500円に接近する場面では戻り待ちや利益確定の売りが上値を抑えた。市場では「積極的な買い材料に乏しい中では売りが出やすい水準」(岡三証券の松本史雄チーフストラテジスト)との声があった。一時11円高まで上げ幅を縮める場面があった。ただ、プラスは維持しており「下値では自社株買いが支えになっている」(岡三の松本氏)との見方が聞かれた。 TOPIXは0.14%高の2738.26ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆9272億5000万円だった。東証33業種では、値上がりは鉄鋼や卸売、輸送用機器など16業種、値下がりはその他製品や保険、非鉄金属など17業種だった。 ファナックや資生堂が大幅高となった。トヨタ自動車はしっかり。一方、三菱重工業や日立製作所、任天堂は軟調だった。半導体関連では東京エレクトロンが堅調だった一方、アドバンテストは横ばいだった。中国国家市場監督管理総局(SAMR)は9日、独占禁止法違反の疑いで米半導体大手エヌビディアの調査を開始したと発表し、米国市場でエヌビディア株が下落したことがアドバンテストの上値を重くした。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが814銘柄(49%)、値下がりは767銘柄(46%)、変わらずは63銘柄(3%)だった。