屋久島に5カ月滞在でわかった、努力なしで人生を変える「Awe体験」の効果
単に体験するだけで得られる様々なメリット
屋久島での劇的な体験は、「Awe(オウ)体験」とも言い表すことができます。 「Awe」も「畏敬の念」を意味します。つまり、「Awe体験」とは畏敬の念を覚えるような体験を指し、「Awe Effect(Awe効果)」と言います。 このAwe効果が日本で広く知られるきっかけになったのが、2023年1月に翻訳版が出た書籍『Awe Effect』(K・サンドバリ著、S・ハンマルクランツ著、喜多代恵理子翻訳/サンマーク出版)です。 本書の冒頭では、その効果が列挙されています。以下、引用しましょう。 健康になった ストレスが軽減された 人とのつながりが強くなった 頭の回転が早くなった 想像力が豊かになった こんなにあるなんて、すごいと思いませんか? しかも、ほかのスキルやライフハックと違って、一生懸命に努力を繰り返す必要はありません。時々、「Awe体験」をするだけでいいのです。 もうこれは、実践しない手はないと思います。
気軽にいろいろな方法で得られる「Awe体験」
では、具体的にどうすればいいかという話に移りましょう。 まず、屋久島に半年近くも滞在する必要はありません。 なかでもとっつきやすく、実効性も期待できるのは、手近な場所での森林浴です。森林浴という言葉は、1982年に日本政府が作ったものです。 「室内での長時間労働がストレスや健康被害を招いている」との認識から、政府は「森林セラピーロード」の認定制度を設けました。 現在、北海道から沖縄まで60カ所以上の森の道が認定されています。いずれも休憩施設などが整備され、無駄なストレスを感じずに「Awe体験」ができます。
「畏敬の念に打たれる」簡単な方法
多忙すぎる現代人に向けた啓発の書、『「怠惰」なんて存在しない』(D・プライス著、佐々木寛子翻訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)でも、「畏敬の念に打たれる」簡単な方法が記されています。たとえば、 具体的な目的もなしに、新しい街を訪れて探検する。 通勤に初めての経路を使ったり、近所でも馴染みのない脇道に入って歩いてみたりする。 友人や同僚に、その人の好きな分野について教えてもらう。本気で耳を傾け、何かを学ぼうとすること。 こうしたハードルの低いやり方でも、必ずとは保証できませんが「Awe体験」が期待できるのです。 このほか、美術館に行って芸術作品を鑑賞する、IMAXシアターで映画を観る、好みのポップミュージックやサウンドトラックを聴くことでも「Awe体験」が得られることがあります。 やってみない手はないでしょう。今日からさっそく、できる範囲でトライしてみてください。 Source: Harvard Business Review
鈴木拓也