岩田剛典インタビュー 「10年後、“やり残したことがある” なんて、僕は言いたくないんです」
10年後の自分を見据えて、今
パフォーマー、俳優など、どんな役割も常にエンジン全開。 見る者の心を捉えて離さない磨き上げた表現力は、10年先の“あるべき姿”を描き俯瞰して分析する冷静さ、消えることのない野心の炎が礎となっていた。 【画像】岩田さんの特撮カットをもっと見る! 後ろは振り返らず、前へ前へと走ってきた12年間だった。人気アーティスト・三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマーとしてデビューした4年後、国民的グループのEXILEにもメンバー入りした岩田剛典さん。当時、褐色の肌をした屈強なメンバーたちに囲まれると、細マッチョで甘い顔立ちの岩田さんは、それだけで新しい風。異彩を放つ存在にも映った。 「あの頃に比べたら、自分の言葉でしゃべれるようになったと思います。変わりましたよね。若いときは自分の意見を言うと角が立つのかなと考えたりして、なかなか意見を通せなかったんです。こうしたインタビューに答えているときも“先輩がこれを読むかも”とか、頭の片隅で思ったりもしていましたしね(笑)」 パフォーマーとして魅せる腕を磨き、前をゆく先輩たちに倣いながら、いつしか自分ならではのできることを模索するようになった。オリジナリティ、個性へのこだわりは年を重ねるごとに増していく。 「芸能界には自分の代わりなんていっぱいいるから、勘違いしないほうがいいと活動していくなかで気づいていったんです。ファンの方にすごく応援してもらえること=自分の実力、とアーティストは思ってしまいがち。だけど実はその肩書というのを丸裸にされたとき“お前、何ができるの? ”ということなので。振り返れば若いときは、人よりも目立たないと、頭角を現さないと、一生見つけられずに終わると必死でした」 誰の目に触れることもなく、埋もれて終わってしまう人になってしまうのではないか。じんわりとまとわりつく恐怖を振り払うように、岩田さんは自身を奮い立たせてきた。 「従順にやっているだけじゃダメ、やっぱり野心がないと。普通にやっていたら年を食って終了ですからね」 と自分に言い聞かせるように語る。 「時間は限られているので、長くやりたいならいろいろなものを吸収して身につけないと、付け焼刃では太刀打ちできなくなっていく。そうして身につけたものが自分の個性になっていくはずなんですよね。僕は自分の色をつけるために(俳優業を)始めて。へたくそなりにずっとやってきて、今何とかここまでくることができました、という10年だったと思うんです。間違いなく1個は持てたわけなので、そういうものをいくつ持てるかだよね、という考え方でやっています」