自民党員になった覚えがないのに、総裁選の投票用紙が届く…“幽霊党員”問題を検証 「党員を見繕った」渦中の国会議員の音声データを入手【報道特集】
田畑裕明 衆議院議員(音声データ) 「善意の別の第三者の方が全額負担してくれてたんだっていうことにしようと思う。(支援者の名前)じゃなくてね」 この善意の第三者とは、4年前に亡くなった田畑議員のおじのことだ。支援者ではなく、おじが幽霊党員分の党費を支払っていたことにするという。 田畑裕明 衆議院議員(音声データ) 「事務所として(おじの名前)おじさんに相談したところ(党費が)払えんというか、なかなか難しいがならば俺が面倒見てやるよっていって、払っていただいたという流れを言おうかなと思うんです。対外的には。今初めて言っとるんだけど」 田畑議員は、対外的には、おじが党費の肩代わりをしたことにしようと話した。支援者にこの時のことを尋ねると…。 支援者 「まあとんでもない話だと思いましたね。国民とか県民の代表として出てる政治家が、そんなことをよく言えたもんだなと」 ■専門家「どう考えても政治資金規正法違反」田畑事務所「法令に則り適切に処理している」 政治資金規正法に詳しい専門家は、収支報告書の虚偽記入や不記載にあたる可能性が高いと指摘する。 神戸学院大学 上脇博之教授 「(党費として)ここから出たはずですね。そうするとその出が書いてないということは、明らかに虚偽記入になってしまうし、不記載にもなる可能性もあると思いますが、いずれにしても計算があわないですよね。どう考えても政治資金規正法違反」 また、もし田畑議員側が幽霊党員分の党費を肩代わりしていたとすれば、公職選挙法が禁じる選挙区内の有権者への寄付に当たる可能性がある。 上脇教授 「だから幽霊党員自体がもう大問題ですよ。党員の人は、本来負担しなければいけない党費を払わなくて済むわけですから、党員としての一定の利益を得る可能性ががありますよね」 10月27日、衆院選投票日。 田畑議員は738票という僅差で5選を果たした。相次ぐ「政治とカネ」の問題で批判を受けた末の、薄氷の勝利だった。