高齢者に「スマホの使い方」を説明する姿を見れば一発でわかる…本当に仕事のデキる人が使うシンプル話法
■説明上手な人の「事前準備」 説明上手な人は、その場で即興で話すことよりも、説明の準備に時間を使います。 冒頭の例では、このように伝えます。 ---------- ○「初めての北海道に行ってきました。 ①行き先 札幌1泊、道東2泊です。 ②目的 グルメは大きな目的のひとつで、札幌では紹介してもらったラーメンと寿司、道東は焼肉とインディアンカレーがよかったですね。 ③感想 ラーメンは出汁がサイコーでした。 ④次の話の投げかけ あんな店、どうやって見付けたんですか?」 ---------- では、どのような「事前準備」をすれば良いのでしょうか? 説明上手な人の例をあげながら、解説していきましょう。 まず伝えたい内容を箇条書きにします。 そして重要度順に並べ替えて、主要ポイントにまとめるようにします。 ここでは、テーマが旅行ですから、聞く側としても「行き先」「目的」「感想」は知りたいところですね。テーマに応じて、まず全体像や概要を理解する基本的な情報を伝えたいところです。 また、冒頭で今ここでこの話をする意図などの導入となる情報を示します。 今回は、すでに北海道に行くことを伝えて、札幌のラーメン屋さんを紹介してもらっていた想定になっているので、「行ってきました」が導入になります。 ■最後に必ず相手が話せる投げかけをして終わる 次に「どこに」「何をしに」が続きます。旅の感想はいろいろあると思いますが、飲食店を紹介してくれた人に対する感想なら、まずそのお店か食べ物に対する説明に絞って伝えるほうが聞き手も積極的に話を聞きやすいので、それを中心にまず伝えます。 その中で、飲食店を紹介してくれた人なら興味を持つかもしれない道東の焼肉と地元の有名店を次の案内として紹介し、最後に必ず相手が話せる投げかけをして終わっています。 最後に、聞き手の反応を観察し、「伝わったのかどうか」を確認します。この旅の話に限らず、質問してもらいやすいように間を取ったり、ポイントが理解できたかを聞いてみる、という流れを習慣化しておくことも効果的でしょう。 説明をする前に、これを意識して準備しておくだけで、心に余裕ができます。ぜひ取り入れてみてください。 ---------- 説明上手な人は、型に入れて話す準備をしている ---------- ---------- 鶴野 充茂(つるの・みつしげ) ビーンスター 代表取締役、広報アドバイザー 社会構想大学院大学客員教授、日本広報学会常任理事。コミュニケーションの専門家として、国内外数百社の経営者や政治家、医師・弁護士など専門家向けに広報アドバイザー、トレーナーとして活動するほか、東京理科大学オープンカレッジなどで説明力や文章力を高める講座を提供するなど広くビジネスパーソンに向けてコミュニケーションを教えてきた。東日本大震災後に国会内に設置された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)でデジタル・コミュニケーションを統括、全国がん登録制度の発足時にはPR責任者を務めるなど、全国規模のコミュニケーションプログラムやPRキャンペーンにも携わる。水循環基本法フォローアップ委員会委員。公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)元理事。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒。 ----------
ビーンスター 代表取締役、広報アドバイザー 鶴野 充茂