デベロッパーの3割、老朽ビルの再開発・建て替え方針を「延期・見直し」…建設費高騰や人手不足影響か
ビルを貸すデベロッパーなど47社のうち3割に相当する15社が、築30年以上の老朽ビルの再開発・建て替え方針について、延期や見直しを行う意向であることが29日、日本政策投資銀行が発表した調査で明らかになった。同行は建設費高騰や建設労働者不足の影響が背景にあるとしている。 【写真】国立劇場 建て替え見通せず 老朽化 閉場から1年
調査は8~9月、ビルを貸している企業を対象に、インフレや脱炭素などの環境変化を踏まえた動向を尋ねた。「延期・見直しを行う」と答えた企業の6割が、建設費に見合う賃料が取れないことを理由に挙げた。東京23区などの大都市圏を中心に、立て替えより費用を抑えられる改修を重視する企業が多いという。
複合施設「中野サンプラザ」(東京都中野区)跡地をはじめ、全国各地でビルの再開発計画が見直されている。政投銀都市開発部の福吉隆行課長は、「地方都市だけではなく、都心でも採算を取りづらい。建設費の高止まりは当面続く見込みで、既存物件の改修など別の選択肢を検討する必要がある」と話した。