政府機能の強化へ新たな戦略拠点と人材が必要 「冷戦後の終わり」で求められる国家の再改革
岸田政権は安倍政権とは異なる改革を行う必要がある(写真は6月8日の政府与党連絡会議)(写真:毎日新聞社/アフロ)
ウクライナ危機は新型コロナ危機と相まって、冷戦後に続いた世界の動きを変えつつある。ところが、われわれのマインドセットはいまだ、冷戦終結後の状況のままである。 もう一度冷戦終結を振り返ってみたい。ソ連の崩壊により社会主義体制が持続可能ではないことが判明したとはいえ、当時の西側諸国では福祉国家の下で公共部門が肥大化し、非効率な運営が行われていた。これを清算するための改革が、公共部門のスリム化、人員削減、規制緩和といった改革手法であり、こうした新自由主義の改革は確かに必要であった。
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牧原 出 :東京大学教授