日本ダービーの行方が見えてくる「3歳牡馬ランキング」。皐月賞馬ジオグリフは3位、1位は?
3位は、ジオグリフ。皐月賞を制して大きくポイントを伸ばしてランクインを果たした。ただ、短距離路線で活躍した父ドレフォンという血統から距離延長については未知数。ダービーで真価が問われそうだ。 木南氏「レース前の取材の感触がすこぶるよかったため、皐月賞では◎を打ちました。この馬に関しては昨年6月の新馬戦後、とんでもなくノドが鳴っているのを聞いて、それが強く印象に残っていたので、どうしても評価を上げることができませんでしたが、皐月賞を勝ってしまっては、もう何も言えません。 生産者の視点からすると、あまり公にしたくないのがノド鳴りですが、トレセンでは『ドレフォン産駒はノド鳴りのほうが走るのでは』といった話が出るほど、ジオグリフの皐月賞制覇は強烈でした。ダービー1週前の動きもかなりよかったので、二冠達成を遂げても不思議ではありません」 4位は、2歳王者のドウデュース。皐月賞でも大外から豪快に強襲して3着に入った。ここでの評価は決して高くないものの、ダービーでも勝ち負けを演じる可能性は大いにある。 吉田氏「GII弥生賞(3月6日/中山・芝2000m)と皐月賞とでは、それぞれ違う脚質を見せて2着、3着という結果を残しました。GI朝日杯フューチュリティS(12月19日/阪神・芝1600m)を勝った時には、体形的にもマイラーのイメージでしたが、年明けの2戦で距離に対する不安も和らいでいます。 折り合いの心配もなく、東京・芝2400mも流れひとつで克服は可能でしょう。皐月賞の直線がすべて右手前だったことからすれば、左回りの東京に舞台が替わるのも魅力。ただ、他の有力馬に比べると、ストライクゾーンが少し狭そうな印象があります」
上位4頭からは大きくポイントを離されたが、5位にはマテンロウオリオン(牡3歳/父ダイワメジャー)、アスクビクターモア(牡3歳/父ディープインパクト)、オニャンコポン(牡3歳/父エイシンフラッシュ)の3頭がランクイン。この中から上位勢を脅かす存在が出てくるのか、注目である。 市丸氏「TF指数3位のマテンロウオリオン。ただし、この馬は1800m以上のレース経験がありません。過去36年でマイル戦からダービーというローテで3着に入った馬は6頭いますが、すべて1800m以上のレース経験が一度はありました。そうなると、能力的には足りないとは思いませんが、さすがに今回は厳しいかもしれません」 吉田氏「アスクビクターモアは、皐月賞では枠の並びやデシエルトがスタートでミスしたこともあって、ハナを奪うことに。その結果、馬場の悪い内側を通らされて、最後は上位陣にねじ伏せられる形になってしまいました。ともあれ、ここまでゆったりとしたローテーションで結果を残してきたことは強調材料。ディープインパクト産駒で軽さとキレ、プラス先行力があって、時計が速くなる軽い馬場ならパフォーマンスは上がるのではないでしょうか」 土屋氏「オニャンコポンの強さを感じたのは、1勝クラスの百日草特別(11月7日/東京・芝2000m)を勝った時。つまり、中山ではパフォーマンスがやや落ちるのですが、年明けのGIII京成杯(1月16日/中山・芝2000m)を快勝し、皐月賞でもジリジリと伸びてコンマ4秒差の6着と善戦しました。そうした成長ぶりを考えると、得意の東京コースに替わって、父同様の爆発力が炸裂してもおかしくありません」 激戦の3歳牡馬戦線。上位4頭の評価は抜けているものの、実力的にはそこまでの差は感じられず、ダービーでも思わぬ伏兵の台頭は十分に考えられる。はたして、この世代の天下を獲るのはどの馬か。注目のゲートがまもなく開く。
text by Sportiva